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無精子症で5年治療を続けた夫婦に、「精子提供」でうまれた溝

精子提供を拒んで離婚。自分の生きる意味はどこにあるのか

離婚 5年に及ぶ不妊治療は最終的に「精子提供」という方法に辿り着くこととなりました。しかし、聖司さんはその子どもを愛せる自信がどうしても持てず、治療を拒否。それが結果的に奥さんとの溝を生む原因になり、離婚に繋がりました。  子どもは自分の分身で、生きる意味。――子どもとはどんな存在かと尋ねた筆者にそう答えてくれた聖司さんは子どもを授かることの難しさを痛感したからこそ、結婚前に夫婦で不妊検査を受けることを勧めると共に、自身は子どもに変わる“生きる意味”を模索しているよう。取材中、聖司さんの言葉の端々からは背負ってきた「罪悪感」が垣間見れました。 「自分は生きている意味があるのか……」そんな思いを抱いている聖司さん。子どもがいないことで聖司さんの生きる意味が損なわれることはないように思いますが、一度心に芽生えてしまった「申し訳なさ」や自己嫌悪を完全に消すことは難しいのかもしれません。しかし、聖司さんの経験はきっと、同じような境遇で悩んでいる男性の拠り所になるはず。  自分に自信はまだ持てない。そう話す聖司さんが「自分も悪くないじゃん」と笑える日が来ることを、心から祈っています。 ―シリーズ「親としてのエピソード集」― <文/古川諭香 イラスト/ただりえこ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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