「『クリスマスは、俺には関係ない』と言ったり、『タピオカティーは死んでも飲まない』という態度から、この人、
お金にせこい人なんじゃないかなって思い始めました」
決定打となったのは、正月に一緒に神社に参拝に出かけた時。

「私は毎年参拝に行っていたので、渋々ついてきてくれました。でも『こういう金儲けみたいなところは嫌いなんだ』と終始、機嫌が悪かった。私が『この神社、誰が祀ってあるか知っている?』と聞いてみたら、『神様でしょ』と一言。この人、明治神宮とかも誰が祀られてるか知らないんだろうな、って思いましたね。
しかも、彼は『偉い人が参拝するから嫌だ』という理由で神社への参拝を嫌がったんです。歴史もわかっていないのに、主張だけが強いのが段々気になってきました。
最後に私が『おみくじを引こうよ』と誘うと、『おみくじとか絶対にひかない』と言ってきかないんです。これも理由を聞いたら『
悪いのが出たら嫌だから』。彼のどうでもいいこだわりにイラっときました。しかも帰り際に、神社の道に敷いてある石でブーツが汚れたことを、怒り出したんです。もう、次はないって思いましたね」
嫌だ嫌だと、おのれの意地を優先する40代のバンドマンの姿に、新年早々、愛想をつかすこととなりました。“自分”があるのはかっこよく見える時もあります。が、彼なりの“こだわり”をウザいと思うなら、そもそも相性が悪かったということなのでしょう。
―シリーズ「
冬の恋愛悲喜こもごも」―
<文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/やましたともこ>