「太るのは一瞬ですが、痩せるのはホント難しいですね。寒くてお腹が空いてると泣きたくなってくるので…冬ってダイエットに不向きですよね」
するとある日、バイト先で具合が悪くなり倒れてしまった麻由香さん。
「とにかくブラがキツくて呼吸が苦しくて…気がついたらバイト先の近くの病院のベッドでした。ぼんやりとオーナーの娘さんがタクシーで連れてきてくれたのを覚えています」

後日その娘さんにその時の話を聞くと、麻由香さんはずっと「大丈夫だから、病気じゃないから…」とうわ言のように繰り返していたそう。
いくつか検査を受けて、お医者さんにも診てもらいましたがもちろん異常なし。
「お医者さんに、なにか心当たりがあるか聞かれたので、勇気を出して『もしかすると、ブラがキツくて苦しかったので…それが原因かもしれません』と伝えました。めちゃくちゃ恥ずかしかったですし、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたね」
怒られるかと身がまえていると、お医者さんは「キツいブラジャーは、血行も悪くなるし自律神経も乱れるし、万病の元。これからは身体に合ったやつをつけて下さいね」と優しかったそう。
入院もせず、もちろん薬ももらわずにそのままユニクロに行きブラジャーを2つ買って帰宅した麻由香さん。
「バイト先にも報告の電話を入れましたが…やっぱりブラがキツくて倒れたとは言えず、寒さで血行が悪くなっていたみたいでと嘘をついてしまいました」
もうお正月以外は、お餅を食べるのはやめておこうと思う麻由香さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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