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「何食べ」、安達祐実の新ドラマ…テレ東ドラマが元気なワケを裏方に聞いた

 映画にもなり大ヒットした『モテキ』、ギャラクシー賞やザテレビジョンドラマアカデミー賞も受賞した『きのう何食べた?』、そして『逃げ恥』の野木亜希子脚本・『コタキ兄弟と四苦八苦』(毎週金曜24:12~)、そして安達祐実が本人役で出演する4月放送の『捨ててよ、安達さん。』など、テレビ東京系列の深夜ドラマがここ数年、大きな話題になっています。  そのポイントとして挙げられるのが“製作委員会”というシステムです。テレビ東京系列のドラマで顕著に多く、上記のドラマは全て製作委員会制で作られているのです。

クリエイターが力を発揮しやすい製作委員会制

  “製作委員会制”とは、映画やドラマなど映像作品を製作する際のさまざまなリスクや責任を回避するための方式・手法のひとつです。  製作委員会制の作品では、制作費がテレビ局、制作会社、映像配信会社など、関係各社の出資によって賄(まかな)われています。制作の方針もスポンサー受けや視聴率が重視される局制作のテレビドラマとは違い、DVD販売や配信などの二次展開も含めて利益を出すことが目的となっているため、コアなターゲットでも儲けが生み出せるような作品であること望まれています。  すでに映画やアニメでは主流となっており、エンドロールなどでその名称を見たことがある人も多いでしょう。しかし、テレビドラマは今でも、テレビ局が制作費を出し、局の制作部門や制作会社が製作している、いわゆる“局制作”と呼ばれるものがほとんどです。  製作委員会制は出資元が分散されているため、著作権や印税などの権利も、放送局の独り占めではなく製作委員会が持ち、関係各所に分配されます。したがって、発言権も各所に存在するため、局や局のプロデューサーの土壇場だった作品作りが、制作会社やクリエイター主導で進めることがしやすくなったのだと言います。

無名の脚本家でも入り込める余地がある

 テレビ東京系列の深夜ドラマ執筆経験がある、脚本家はこう語ります。 「僕はさほど大きな仕事の経験もなく、コンクールでの実績もない、いわば叩き上げの作家です。局制作だと、局が主催するコンクールの脚本家出身者を育てるために、その出身の作家や、局プロデューサーお抱えの脚本家で入り込めない部分があったりするんですが、テレ東系は僕のようなものでもチャンスをくれるんです」
 確かに、テレビ東京系の製作委員会制のドラマでは、民放ではあまり目にしないような脚本家の名前をよく見ます。舞台や自主映画出身者、アニメ脚本家、放送作家など、多彩なフィールドで活躍する才能を抜擢している印象を受けます。  また逆に、『透明なゆりかご』の安達奈緒子や『逃げるは恥だが役に立つ』の野木亜希子など、他局でヒットを飛ばした脚本家がしれっと執筆していることも。つまりは、しがらみなく自由に起用できるということでしょうか。
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製作委員会制のデメリットも
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