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「何食べ」、安達祐実の新ドラマ…テレ東ドラマが元気なワケを裏方に聞いた

テレ東ドラマは脚本をコマゴマと直されない

 頷きながら前出の脚本家は続けます。 「監督も同様です。テレ東では大根仁さんや山下敦弘さんなどの映画監督としても名高い面々が参加しているのも特徴ですよね。局制作ではテレビ局所属の演出家または局の子会社所属の人がやっていて、フリーの監督が起用されることはめったにありませんから。ちなみに製作委員会制の作品では、演出・〇〇ではなく、監督・〇〇というクレジットになっている場合が多いんですよ。今度注意して見てみてください」
 そしてさらにこんなことも……。 「他の局でドラマを執筆した際は、局側の意向やプロデューサーのダメだしを何度も喰らった上で十何稿も書き直しました。でも、テレ東系では書いても4,5稿。後々微調整はありますが、一発OKになることもあるんです(笑)。打ち合わせも、ダメ出しというよりは、こっちが書きたいことや意図を尊重してくれているような気がしています。だから、ある意味自由ですが、それだけ責任が生じるので、書くときは余計力を入れてしまいますね」  もしかしたら、テレ東系の製作委員会制ドラマが面白いのは、監督や脚本家など個々のクリエイターがのびのびと作品に向き合え、能力を存分に発揮しやすい環境であることがそうさせているかもしれませんね。

製作委員会制のデメリットも

 これだけ言うと、メリットだらけのように見えますが、もちろんデメリットもあります。テレ東系ドラマで演出を経験したことのある制作会社所属の監督は語ります。
「デメリットは、各社の出資で製作されていることや、深夜ドラマであることから、製作費が極端に限られていることですね。だから、ワンシチュエーションものだったり、ロケ地が宣伝のために出資してくれることもあるグルメなどのロケものが多くなるんです。12話のうち何話かを新人脚本家や監督を起用したり、監督が脚本を兼任するなどして、予算を抑えることもあります」  新人や他局では珍しい作家が抜擢されるのはこういう事情もあるのでしょう。それによって、過去にこんなこともあったようです。 「原作付きのドラマで、新人監督が好きなようにやりすぎて完パケを見た原作者が激怒したという話を聞いたことがあります。一応、脚本で原作者OKは頂いていましたが、演出や編集は出来上がるまで分かりませんからね。自由にできる弊害でしょう」 ※ ※ ※  昨今は、有名脚本家や監督にオファーを快諾されたり、争奪戦だった原作ものも「テレ東深夜なら」と許可が下りることも多いそうです。  数多くの名作を生み出し続ける、テレビ東京系の製作委員会制度。他民放各局も、今後この方式を採用することが増えるかもしれませんね。 <文/小政りょう> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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