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「君の将来を思って」と事実上クビに。超大手アパレルで陰湿モラハラ上司が…

自分を追い込んだマネージャーの二人が辞めた

 店を辞めて2ヶ月後、元同僚から富永さんの溜飲を下げる報告が舞い込みました。彼女を追い込んだマネージャーの二人が辞めたと聞かされたのです。 「やっぱりと思いました。退社から数日後に、日本本社から、辞職したスタッフに簡単なアンケートを行うことになっていると連絡を受け、辞めた経緯を聞かれていたんです。  その際、私の話を聞いた担当者は『それはひどい目にあいましたね』と同情してくれていましたから、おそらくあの二人もBA査定を受けたのではないかと思います」  日本本社の人事と話して、納得のいかない査定結果やモラハラ発言以外にも、腑に落ちないことがたくさんあったことに気付かされたとか。 「例えば、上司の個人的な好き嫌いで評価されることがないように、スタッフ同士『私のことはこの人に聞いてくれ』と指名する制度もあったのですが、私が指名していた同僚はストアマネージャーから一度も私について話しを聞かれなかったらしいんです」

取り扱う人によって悪法になることもある人事システム

OL 新卒 会社員 女性

写真はイメージです

 また、そもそも査定の場で自分の恩人であったはずのストアマネージャー(店長)が、ほとんど言葉を発しなかったことも奇妙だったと振り返ります。 「モラハラ発言はすべてディストリクトマネージャーから出たものですが、査定自体はストアマネージャーがしたはずです。むしろ突然のキッズ売り場への異動から始まって、なんの助言もなくBA評価をつけるあたり、悪意しか感じられなくて逆に彼女の方が怖いくらい」  図らずも、自分を追い込んだ人事システムを使ってリベンジを果たすことになった富永さん。せっかくいい人事制度があっても、それを利用する人によっては悪法にもなり得ると知ったとことで組織が信用できなくなり、今はフリーランスで働いているそうです。 ―シリーズ「ブラックな職場がしんどい」― <文/橘エコ イラスト/とあるアラ子>
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。
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