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「君の将来を思って」と事実上クビに。超大手アパレルで陰湿モラハラ上司が…

 会社が定めた基準に「達しているのか、いないのか」で評価がはっきり二分される制度が、近年、外資系をはじめ日本企業でも導入するところが増えています。この制度は透明性がある半面、ドライ過ぎる感もぬぐえません。  今日は、そうした人事査定でパワハラ・モラハラ行為の被害にあった富永つかささん(仮名・35歳)に話を聞きました。
パワハラ上司、モラハラ

写真はイメージです(以下同じ)

後輩が辞めてもいないのに「脅威を与え退職に追い込んだ」と人事査定

 数年前まで大手外資系アパレルチェーン店のアシスタントマネージャーとして働いていた富永さん。アルバイトからスタートし、その働きぶりがストアマネージャーに認められて1年後には正社員登用されました。  真面目で明るい性格はスタッフからもお客さんからも評判が良く、すぐにアシスタントマネージャーまで昇進しました。  ところが、3年目に入った頃に配置換えがあり、そこから退職へと追い込まれていったのです。 「それまでアダルト(大人)売り場を任されていたのですが、突然キッズ売り場に行くように言い渡されました。  アダルトとキッズでは、扱っている商品、接客のパターン、マーチャンダイズの見せ方と何から何まで違うのに、事前にトレーニングもなく急に異動させられたので驚きました」  それでも懸命に働き続けた結果、特にクレームが出ることも上司から呼び出されることもなく月日が過ぎていきました。しかし、その年の査定で思いがけない低評価を受けることになります。
アパレル店員とお客

画像はイメージです

「2つの項目で一定水準以下とされる『ビロー・アベレージ(Below Average)』(以下BA)を受けました。2つ以上のBA評価は、契約更新が打ち切られる基準でしたからショックでした」  水準以下の評価を受けたのは、売上貢献に関係する「オペレーション」と従業員の管理能力を見る「ヒューマンリソース」。売上貢献はキッズ売り場へ異動後のパフォーマンスと考えれば、かろうじて理解できないこともありませんが、管理能力についてはまったく解せなかったといいます。 「スタッフに脅威を与え、退職に追い込んだことが理由だと言われました。確かにその数ヶ月前、若いアルバイトの女の子とお客様の間でトラブルがあり、私が仲介に入ると、バイトの子が私に怒られたと勘違いして泣いてしまったという出来事がありました。  でも、これは当人との間で既に和解済み。その子は退職どころか元気に働いていたのですから、意味が分かりませんでした」

「君の将来を思って」。助言を装った退職勧奨に注意

 査定インタビュー(面接)の場にいたのは、そこの地域を管理するディストリクトマネージャーと、店長にあたるストアマネージャーの二人。  同社には評価が悪かった人にセカンドチャンスを与える制度もあったのですが、とても頑張ろうという気分にはなれなかったといいます。 「こちらに非のあることなら、もう一度がんばって認めてもらわなきゃという意欲も湧いてくると思うんですが、何の問題もなく仲良くやっているスタッフに対して『脅威を与えた』なんて言葉を使われてショックで、その場では辞めることしか考えられませんでした」 上司面接話し合い交渉 その日は「1週間じっくり考えてきなさい」と言われ、家に帰された富永さん。数日後、やはりセカンドチャンス制度を受け入れたいと思い、ディストリクトマネージャーに電話をすると、ダメ押しの発言をぶつけられました。 「セカンドチャンス制度にトライしても、ダメだった場合には書面上では解雇になる。君はまだ若いんだから、将来のためにも自主退職にしといた方が賢いと思う。君の人格を否定しているわけではない。たまたまうちの会社とはあわなかっただけでさ、と。それを聞いたらもう、辞めるしか道はありませんよね」  すぐに辞表を出し2ヶ月後には退社。周囲のスタッフには円満退社だと思われていたため、退社日にはスタッフ全員から花束をもらい、盛大に見送ってもらったといいます。 「店を出てみんなに背中を向けた瞬間、悔しさがこみ上げてきて号泣しました。ここで頑張ろうと思っていたのに、なんであんなことで辞めなきゃいけないのかって。当時は毎晩泣いて暮らしてました」 外資アパレルの厳しい人事
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自分を追い込んだマネージャーの二人が辞めた?!
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