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10歳で言葉を話せない息子。でも想いはサインで伝わる<発達障害のリアル>

ぽんちゃんはおしゃべりができない Vol.15】  中学1年生の娘と小学4年生の息子を持つシングルマザーの筆者が、発達障がいの息子・ぽんちゃんとのドタバタな日々を綴ったこの連載。(連載をまとめたエッセイと漫画『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』が発売中)。奮闘するママと、いつも元気なぽんちゃんの毎日とは――。 ぽんちゃん15話『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』<前回までのあらすじ> ぽんちゃんはまだおしゃべりができません。発達障害、そして知的障害(表出性言語障害)があると診断を受けました。それでも小学校にあたる特別支援学校で、毎日をのびのびと過ごしています。

言葉のかわりに次々に誕生するハンドサイン

 ぽんちゃんは、小学生になってもなお、おしゃべりができない。  でも、オーバーなジェスチャーと自分なりのサインで、ママである私やじいじ、ばあば、お姉ちゃんのみいちゃんとお話をしている。そのサインは、学校で習ったものから、オリジナル開発のものまで様々。  例えば、“お勉強”は絵本を広げるようなサインでとんとんと両手の端っこをぶつけたり、“音楽”は指揮者のように右手をくるくると回している。ここまでは、“マカトン”という、ハンドサインに基づいたものだが、それとは違う、我が家独特のサインが、勝手にどんどん誕生するのだ
言葉のかわりに次々に誕生するハンドサイン

写真はイメージです(以下同)

“アイドル”のハンドサインまである!

 アイドルが大好きな母親のもとで育ったぽんちゃんは、女の子や男の子が数人集まった写真を見ると、右手をリズミカルに上下に振る。そう、ペンライトだ。ペンライトを上手く振るようなジェスチャーをして“アイドル”を表現する。  さらに、アップテンポの曲をかけていると、私の肩を叩き、ゆっくりと両腕を右から左に振る。これはどうやら「バラードを流せ」というサインらしい。この後、極上バラードをかけると、うっとりとした顔で両手を振り、1人ライブ(たぶんホールライブ)が開催される。  それにあきると、右手を胸にポンポンと叩く。それは彼なりの“お風呂”のサインだ。どうしてそれがお風呂になるのかは全くわからないが、我が家ではもうそれが定着してしまった。ちなみに、“イッ!”という掛け声はうんちのサイン(笑)。ものすごい気合いでうんちと向き合っているんだな…。

ハンドサイン大会でゲラゲラ大笑い

ハンドサイン大会でゲラゲラ大笑い さらにとってもかわいいのが、“雨”のサインである。雨が降っているかのように、手のひらを下にかざしているのだが、雨が降っていたり、どんよりした雲を観ると、その小さな手で雨をお知らせしてくれる。「雨だね~」と答えるとすごく満足気にしているのだから、たまらなくかわいい。  しかし、その“雨”はピアノを弾くというジェスチャーにとても似ているので、“ピアノ”を表現するときも、ピアノを弾くように手を下にかざすのだ。それに対して、「雨は?」「ピアノは?」とクイズを出すとずっと同じハンドサインで答え、何度も続くと面白くなってくるようでぽんちゃんはひとりでゲラゲラとハンドサイン大会を開いている。  そのほかにも、お茶が飲みたいというサインは、ティーカップを人差し指と親指で持ち、口に運ぶようなサインを見せてくれる。これがとっても上品! 「上品だねぇ」と声をかけると、照れるようににこっと笑う姿も愛おしい。
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息子が教えてくれたコミュニケーションの大事さ
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うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる

離婚して2児を抱えながら奮闘するも、長男に発達障害があると発覚(のちに重度の知的障害と診断)。子どもたちを幸せにするため、全力でもがき続けるシングルマザーが描いた実体験エッセイ&マンガ。発達障害について医師の解説、公的支援リスト、付録には子どもとの対話に使える「準備カード」なども


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