そのうち社長が商談の出張と称して2人で旅行三昧をし始めたあたりで、ポツポツと退職者が出始めました。

「四国に一週間、沖縄に二週間、北海道に三週間とどんどんスケールが大きくなって、
さすがに1ヶ月くらいヨーロッパに滞在してた時はビックリしましたね(笑)。そんなことをしている間に経理の担当者が辞めてしまったのですが、退職後に開かれた飲み会で彼女が『
A子、あれで月50万くらいの給料貰ってるよ』と暴露したせいで退職者はさらに増え続けました」
芙美子さんも、その流れに乗って辞めることを決意。結局、1年足らずで9割近い社員が辞める事態になったのです。
「そうなってようやく社長も目が覚めたようですが、時すでに遅しですよ。
残った社員は学生時代からの友人だっていう営業マン2人と、産休中でこの事態を何もしらなかった営業事務の子のみ。制作も経理も外部発注せざるを得なくなり、すっかり業績も傾いてしまい、何もしないA子に50万円も払えなくなったタイミングで社長はA子にフラれました」
これでA子さんが退職して終わる話……かと思いきや、A子さんはいまだに会社には居座り続けているというから驚きです。
「社長がA子に未練タラタラで『
出社しなくていいから会社に籍は置いておいてくれ』と土下座したそうです。
そのおかげでA子は1日も働かずして、今も月に20万円ほど貰っているらしいですよ。今の彼女のメイン収入はパパ活らしく、そっちでは100万単位で稼いでいるらしいけど」
ちなみに会社は2020年4月現在、すでに倒産寸前だとのことです。
―シリーズ「
ブラックな職場がしんどい」―
<文/もちづき千代子 イラスト/とあるアラ子>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama