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夫の5人の不倫相手を妻が次々と破滅させる。その意外な方法とは|ドラマ『インターホンが鳴るとき』

 男女の不貞がじっくり、じっとり描かれる王道の不倫ドラマもいいのだが、そろそろ新しいタイプのものも見てみたい。
「インターホンが鳴るとき」

©「インターホンが鳴るとき」製作委員会 (テレビ大阪プレスリリースより)

 そう思っていたら、ちょうどいいのがあった。毎週水曜日深夜に放送されている『インターホンが鳴るとき』(テレビ大阪)は、テクノロジーと不倫をかけ合わせたい画期的な不倫ドラマなのだ。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、本作が描く“不倫討伐の驚き”について解説する。

不倫×テクノロジー

 アイデア勝負。企画ありき。ユニークでスマートな発想によって近年のテレビ東京は、独自の放送枠を使い分け、手頃で面白いテレビドラマを量産している。  簡便かつ便利。かゆいところに手が届く。コンビニ的だが、質は高い。それはテレビ東京をキー局とした、系列の地方局でも同じようだ。大阪テレビが製作した『インターホンが鳴るとき』は、まさにアイデアと企画の産物。  ジャンルは不倫モノ。単に不倫だけではつまらない。何かをかけ合わせたい。となったとき、「そうだ、不倫とテクノロジーだ!」という具合にアイデアとアイデアがリンクする。

デジタルネイチャー時代のパート事情

©「インターホンが鳴るとき」製作委員会 確かに10月期ドラマは、各局が不倫モノで勝負をかけている。実に多種多様な不倫ドラマが、4作品も放送されているのだ。  りおによる原作があるとはいえ、その中で『インターホンが鳴るとき』の企画力は勝負ありという気がする。  不倫とテクノロジー。具体的にどのように描かれるのか。舞台は、人とモノがテクノロジーとリンクしているデジタルネイチャー時代の日本。AIが日常生活の要(かなめ)になって久しいよう。  主人公・田中結花(土村芳)は、スーパーマーケットでパート勤務する専業主婦。スーパーのレジは自動化され、発注もAIが担う。人件費削減で、シフトが少ない。パート事情の厳しさを店長にぼやくばかりで、人間は無力になってしまったのか。
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夫の不倫疑念が確信に
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