News
Lifestyle

「万年いじめの対象でした」20代ギフテッド夫婦が明かす“子ども時代の生きづらさ”

 こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。 近年よく耳にする「ギフテッド」という言葉。ギフテッドとは一般的に、同世代と比べて知的能力が高かったり、特定分野に際立った才能を持っていたり、ギフテッドによく見られる特性を持つ子どものこと。  ギフテッド特性を持つ人の多くは、成長過程で周りとの違いを覚え、”生きづらさ”を感じることがあると言います。また、中には生きづらさに飲まれ、社会に上手く馴染めずに大人になるケースもあるとか。
Naoyaさん・Maiさん夫妻

Naoyaさん・Maiさん夫妻(以下、写真は本人提供)

 ギフテッドであるMaiさん(29歳)のYouTubeチャンネルでは、同じくギフテッドの夫・Naoyaさん(28歳)とMaiさんの2人が、成長過程で苦労したエピソードも語られています。3本目となる今回は、子ども時代に体験した苦労を教えてもらいました。 【1本目の記事を読む】⇒20代ギフテッド夫婦が明かす幼少期の“人との違い”。「ギフテッド=ものすごい天才」ではない 【2本目の記事を読む】⇒ギフテッド夫婦の“意外な子ども時代”「席替えで必ず一番前の席に」「手に負えない子どもだった」

不登校をきっかけに特性との付き合い方を身につける

 ここまで、お二人の特性幼少の頃の性格を中心に、お話を聞きました。今回はその特性だからこそ苦労したお話を中心に聞いていきます。 Maiさん「私は中学2年のとき、不登校になりました。成長過程でだんだんとクラスメイトから浮いてしまい、いじめのターゲットになったのが大きな理由です。もともと小学生まではリーダーシップを発揮するのが好きで、その流れで中学でも、実行委員や合唱コンクールの指揮者、体育祭の応援団など、いろいろとやっていました。 でも中学になると、人間関係は複雑になっていきますよね。その中で、私の中の“ワンマンっぽさ”みたいな振る舞いが浮いてしまい、いじめに繋がっていきました。不登校になったのをキッカケに、私自身も少しずつ、自分の気質について考えたり、集団でどのように振る舞えば良いのかを考えるようになりました」 「自分のどこを出せばいいのか」を中学生が見直せることがすごいと感じますが、今現在の人間関係はどうでしょうか? Maiさん「今は『ここは周りとバランスを取ったほうがいいかな』とかを考えて動けるので、人間関係の築き方は上手くなっていると思います。とはいえ、私の根本的な気質は変わっていません。何かに対してワーッと気持ちが高まるとそれをやらずにはいられないし、現在の事業、フリースクール・個別指導塾『Lagoon』も、自分の気質が強みとして活きていると感じます」

「なんでそんなに目立とうとするの?」と言われてきた

Maiさん

Maiさん

 結果として、不登校の経験は自分の特性との付き合い方を身につけることに繋がったとはいえ、当時はしんどかったのではないでしょうか。ご両親の反応についても聞いてみると……。 Maiさん「両親は、そもそもいじめについては気づいていませんでした。いじめを伝えた後も、『学校には行きなさい』みたいな感じでしたね。ただ私は、一度決めたら親の言うことも聞かない頑固な性格だったので、親も『じゃあどうしようか』となり、結果として私のことを考えてくれるようになりました。 いじめとは少し話は逸れますが、両親は私と違って目立つことを避ける性格なので、小学生頃からずっと『普通になりなさい』『なんでそんなに目立とうとするの?』と言われてきました。私としては、やりたいことをやっているだけなのですが、親からすると『ただ目立とうとしている変わった子』に見えていたようです。『普通になりなさい』って親から言われても『困ったなあ』という感じでしたね。とはいえ、周りに合わせなきゃって感覚はあったりもして、でも、やりたいことが上回ってしまう、みたいな状態でした。 幸いだったのは、私にとってのやりたいことが、◯◯委員とか、大人に評価されやすいことだった点です。親は評価してくれなくても、周囲は応援してくれるので、気に病まずに済みました」
次のページ 
いじめられてもおかしいのは相手!貫く論理性
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ