酔っぱらうとお酒がおいしいのはナゼ? ビールの“苦み”が美味いワケは脳にあった
ひと仕事終えたあとの一杯、雑事から解放された週末のひと時。「このために生きていた!」と気持ちを分かち合うのは、恋人でも家族でも友達でもない。お酒です。
でもなぜお酒を飲むとハイになるのか、考えたことありますか。
『なぜ酔っぱらうと酒がうまいのか』(日経BP)は、お酒のおいしさに隠された秘密と、健康的にお酒を嗜む秘策を綴った一冊。著者は酒ジャーナリストの葉石かおりさん。監修は肝臓専門医の浅部伸一先生です。
止め時を理解していても、体に響くのを気にしていても、あと一杯に手が伸びてしまう。この不可抗力を、本書が科学的に証明してくれました。
「人が『おいしい』と感じる味覚には、五味といわれる甘味、酸味、塩味、うま味、苦みのほか、渋味と辛味も関わってくると考えられます」とは、本書に登場する、食品の味を科学的に解析する企業のマネージャー氏の弁。
この味覚が複雑に絡み合って存在するのが、各種お酒です。
加えて、「食品の味は、それに含まれる成分に加え、その食品を味わう時の『条件』にも影響を受けます」。条件とは「生理的な条件」「精神的な条件」「習慣的な条件」この3つ。
これらを踏まえると、私達が無意識に欲しているお酒にも根拠が見えてきます。疲れた時のレモンサワーや梅干しサワー。ストレスが蓄積した時のビール。やはり疲れには酸味を、ストレスには苦みを、脳が欲するようにできているのです。
逆にいえば、無性(むしょう)にビールが飲みたい!という体の声を聞いたら、敵はストレスにあり!と気づけますよね。ここで自制できればいいのですが……。お酒と人の欲望は、それほど単純な関係ではないようです。



