骨折した母と「優先席」前に立っていた私。「誰も譲ってくれない」と思っていたら…“意外な場所”から助け舟
電車の中で、困っている人を見かけたとき、あなたならどうしますか?
「誰かが声をかけるだろう」と思ってしまうこともありますよね。今回は、電車の中で一人の女性が目にした、思いがけない優しさの連鎖のエピソードをご紹介しましょう。

ある平日の午前中。木村純子さん(仮名・35歳)は、病院へ向かう母親の付き添いのため、電車に乗っていました。
お母さんは左手首を骨折しており、ギプスをして腕を三角巾で吊っている状態。右手は使えるものの、慣れないギプスの重さでバランスが取りづらく、手すりにつかまっていても、電車が大きく揺れると足元がふらついてしまいます。
「私は母の身体を支えつつ、優先席の近くに立っていたので、誰か気付いてくれるかな……と少し期待してしまったんですよ」
ところが、優先席に座っている人たちはスマートフォンを見たり、目を閉じたりしたまま。腕を吊ったお母さんの姿に気付いているように見える人がいても、誰も席を立とうとはしなかったそう。
電車が揺れるたび、純子さんは母親の身体を支え直しました。
「もちろん疲れている人や、事情がある人もいるとは思います。でも、腕を吊っている母の姿を見ても誰も動こうとしなかったのは、正直少し寂しかったですね」
そんな中、一人の女性が立ち上がりました。その女性は、お母さんと同じくらいの年代でしょうか。しかも座っていたのは優先席ではなく、少し離れた一般席でした。
女性はわざわざ親子のところまで歩いてくると、「腕を吊っていると、バランス取りにくいのよね。私も経験あるから分かるの。どうぞ座って」と、優しく声をかけてくれたそう。
「その温かい一言に、母は何度も『ありがとうございます』と頭を下げながら席を譲ってもらったんですよ」
骨折した母を支えながら電車に乗る











