ノースリーブで貧相にならないためには…“昭和のバブル女性”がヒント
【モードをリアルに着る! Vol.37/小林直子】
ジャンニ・ヴェルサーチが死去して20年目に当たる2017年に発表されたヴェルサーチの2018年春夏コレクションは、ジャンニの妹であり、ヴェルサーチの現クリエイティブディレクターのドナテラによるジャンニへのトリビュート・コレクションでした。
気温が30度も続くと、ノースリーブで外出する機会もふえてきます。しかし困るのが、タンクトップのなんとも言えない頼りなさ。身につけるものの面積が少なくなれば少なくなるほど涼しくはなります。けれども、装備として脇が甘すぎる感じは否めません。
しかもその脇が甘いタンクトップにジーンズを合わせたならば、脇が甘いだけではなく、カジュアルもいきすぎて、それを着た人の存在は耐えられないくらいに薄く、それは販売員の視野に入らずスルーされるレベルです。そんなときどうしたらいいか。ヴェルサーチのルックから学びましょう。
黒とゴールドを基調にしたゴージャスなルックは、ヴェルサーチの黄金時代を彷彿(ほうふつ)させつつも、今の時代のフレーバーへとしっかり味付けされ、久々にこんなにゴージャスで、ストロングなスタイルもいいじゃないの!と思わせる、見ごたえのあるコレクションでした。
日本でヴェルサーチが一世を風靡したのは80年代後半から90年初頭にかけて。ちょうど日本の昭和のバブルの時代です。 いかつい肩パッドのパワースーツに身を包み、ゴールドのアクセサリーをじゃらじゃらさせた、ボリュ―ミ―なヘアスタイルのお姉さま方が好んで着ていたのがこのヴェルサーチ。あのお姉さま方は今ごろ何をしていらっしゃるのでしょうか? あの頃、ヴェルサーチを着ていたお姉さま方が素敵なマダムになって街を闊歩(かっぽ)しているとしたら、タンクトップをこう着こなすわよというのが、今回ご紹介するスタイルです。
タンクトップでもアクセサリー重装備なら軽くあしらわれない
タンクトップ(これはタンクトップ型のボディスーツです)にカジュアルなボトムを合わせて、それでも堂々としていたい、ひとかどの者として扱われたいというときには、アクセサリーで重装備です。 ヴェルサーチのルックをよく見ていくと、上からキャップ、イヤリング、スカーフ、革のベルト、コインベルト、ブレスレット、指輪と、身につけられるアクセサリーをフル装備しています。 しかも単にフル装備しているだけではなく、サンダルとバッグを含むすべてを黒とゴールドで統一しています。タンクトップに使われているプリントにも黒とゴールドは使われていますから、この統一は徹底されています。 この揃えすぎている感じを英語ではマッチーマッチーと言います。そしてこのヴェルサーチのタンクトップスタイルは、典型的なマッチーマッチースタイルです。しかもわざとマッチーマッチーにしています。それはなぜでしょうか。
マッチーマッチーで、ゴージャスで強く印象的なスタイルに変身
アクセサリー、サンダル、バッグをマッチーマッチーにすることによって、タンクトップにジーンズという主張のない、ぼんやりしたスタイルをゴージャスで、強く印象的なものに変えることができます。 単にタンクトップとジーンズではモードにはなり得ませんから、マッチーマッチーは必然なのです。 では、私たちが実際に取り入れるためにはどうしたらいいでしょうか。
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