甘辛ミックス。カーゴパンツには「男性が着ないモノ」を合わせるのがコツ
【モードをリアルに着る! Vol.38/小林直子】
ここ数年、ミックススタイルというものがずっと主流になっています。
何をミックスするかというと、AというブランドとBというブランド、古いものと新しいもの、スポーツウエアとテイラーリングなど、異なった要素を組み合わせます。
そんなミックススタイルの中でもよく使われるのが、フェミニンとマスキュリン、すなわち女性的なものと男性的なものを組み合わせる、日本で言うところの甘辛ミックススタイルです。
女性的な要素とは、例えばスカート、花柄、フリル、レース、ヒールの靴などを通常は指します。また男性的なものとしてはミリタリー、ネイビーなどの軍服、またはワークウエアやスポーツウエアなどです。
ただし、現在、言われている女性的な要素は、洋服の歴史を見てみると、過去に男性も着用していますので、あくまで近現代においては女性的と思われているということです。
軍服がデザインソースであるカーゴパンツは男性的な要素を持つアイテムです。そこへレースのノースリーブシャツ、コルセット、そしてきゃしゃなヒールサンダルと女性的な要素を組み合わせています。
斜めがけした黒革のベルトバッグや、シルバーのブレスレットもハードなイメージで男性的な要素。最終的にでき上がったのは、おそらく男性はしないであろう、女性的なスタイルです。
ポイントは強調したウエストでしょう。
胸郭からウエストへかけての強調は洋服において、女性らしさを表現するときによく使われるスタイル。特にコルセットは、中世から女性の衣服の一部として使われてきた、いわば女性らしさを演出する基本の小物。
戦う男のためのカーゴパンツに、中世以来続くコルセットを組み合わせるという、高度なスタイリングがこのアレキサンダーワンのカーゴパンツのルックです。
私たちがリアルに取り入れる場合には、まずカーゴパンツを用意するところから始めましょう。
カーゴパンツはスポーツやアウトドアウエアとして売られているものでもいいでしょうし、最近は大き目が主流なので、メンズのヴィンテージのカーゴパンツを古着屋で調達するのもいいでしょう。
女の子向けのかわいいものではなく、ハードな雰囲気のもののほうが女性的な要素をミックスしたときに女らしさが際立ちます。
2000年に入るころまでは、例えば「シャネラー」などと呼ばれていたように、どこか1つのブランドですべてコーディネートを作るのがよしとされてきたのですが、その傾向がだんだんと崩れてきて、昨今ではミックスするのがごく当たり前、全部同じにしてしまうと、どこか野暮ったく感じられるほどになりました。
女性的なもの×男性的なもので甘辛ミックススタイル
最近ではアディダスとのコラボレーションも発表しているアレキサンダーワンは、こういったミックススタイルを得意とするブランドです。 そんなアレキサンダーワンの2018年の春夏コレクションから、カーゴパンツのフェミニン、マスキュリンのミックススタイルを見ていくことにしましょう。
カーゴパンツにコルセットのアレキサンダーワンのスタイル
カーゴパンツはハードな雰囲気のものがベター
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