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流行のショートパンツ、脚をさらさずに履く“大人の重ね着術”

モードをリアルに着る! Vol.39/小林直子】  トレンドがどのように発生し、伝播(でんぱ)していくかにはいくつかのパターンがあります。

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 一つは、誰かが「これがいい」と提案して、次々と他がそれを真似て広がっていくパターン、次に、ストリートでもう既にはやっているものをピックアップし、それをよりモードに作り直し、再び一般へと広げていくパターン、そしてもう一つ、同時多発的に多くのブランドが同じものを発表し、一気に市場に供給して広がるパターンです。

ショートパンツがモードとして急に出現

 2018年の春夏は、なぜか多くのブランドがこぞってショートパンツを発表しました。  サンローランの黒革のショートパンツ、プラダのストライプのショートパンツ、ルイ・ヴィトンのトラックショートパンツ、ヴァレンティノのユーティリティーショートパンツなど、長さもホットパンツと呼べるほどに短い丈ものから、膝上5センチ丈ほどあるものまでさまざまです。

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 なぜ急にショートパンツが出現したのか、その理由はよくわかりません。単にロング丈のパンツに飽きたためか、スポーツウエアがはやっているのでその流れのひとつとしてなのか、定かではありませんが、とにかくたくさんのショートパンツがモードとしてあらわれたのが2018年の春夏シーズンでした。
 しかしだからといって、はい、そうですか、じゃあ私も明日からショートパンツをはくわ、となるかというと、そういうわけにもいきません。特にタイツもロングブーツも履けない真夏のショートパンツです。  大人の女性もショートパンツをはきたい、けれども脚をそそのまま公衆の面前にさらすのは嫌、そんなときにどうしたらいいか。そのヒントがディオールのコレクションにありました。

ショートパンツ+スカートのスタイルは2018年ならではの新しさ

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 アーチストであるニキ・ド・サンファルがテーマの2018年春夏のディオールは、60年代の開放的なムードがあふれる若々しいコレクションでした。  しかしいくらテーマが60年代だからといって、スタイルそのものが60年代のままというわけではありません。そこには何かしら今の時代のための新しい提案があります。  その1つの提案が、ショートパンツにスカートというスタイルです。  ワンピースやスカートの下にパンツをはくというスタイルは、ここ数年、さまざまなブランドで提案され、一般にも広がっていきました。今では、ワンピースの下にジーンズをはいて街を歩いても、おかしい格好だと思われることは少ないでしょう。  しかしこれまで提案されていたのは、もっぱらロング丈のパンツにスカートというスタイル。なぜショートパンツの組み合わせは出てこなかったのでしょうか。それはただ単に、スカートの下にショートパンツをはいても、外から見えないのであまり意味がないからでしょう。

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 けれども、そのスカートに深いスリットがあったら、もしくはエプロンのような形の巻きスカートになっていて、中が見えるのだとしたら、ショートパンツもありではないか、そんな発想からあらわれたのがこのショートパンツ+スカートのスタイルです。  このルックを見てわかるとおり、スカートといっても、オーバースカートと言われる、下に何かをはいた上で巻きつける形のスカートです。ですから、中に何を着ているかが外から見てわかります。この場合、ロング丈のパンツをはいてもいいわけなのですが、ここにショートパンツを持ってくるところが2018年ならではの新しさです。
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ワンピースの前をあけて着てもOK
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