私以外と仲良くしないで!ママ友の異常な愛情にぐったり…
子宝に恵まれない夫婦に希望を与える不妊治療。実を結ぶまでの過程には当事者でなければわからないつらさや不安があります。折れそうな心に寄り添い合い、励まし合う同じ境遇の友だちは何より心強い存在。
しかし、その“支え合い”が“依存”に変わってしまったら……。
都内に住むフサエさん(仮名・39歳)は、3年に及ぶ不妊治療の末、待望の女の子を授かりました。
「不妊治療の痛みやつらさ、なかなか成功しない焦りもあって、何度もあきらめかけました」というフサエさんにとって、もっとも支えになったのは不妊のコミュニティで知り合ったアヤさん。
同い年で住まいが近かったこともありすぐに意気投合。ふたりで同時期に妊娠がわかったときは、泣いて喜び合ったほどだといいます。ママになってからは今まで以上に親密な関係を築き、幼稚園も同じところへ通うことに。ところが、そのころからふたりの関係に少しずつ変化が生じてきます。
「アヤはあまり社交的なタイプではありません。幼稚園に通うようになってからもいつも私のそばにいて、ほかのママたちと話している姿はほとんど見なかったですね」
そんなアヤさんとは対照的に、アクティブなフサエさん。幼稚園のことが知りたい、ママ友も作りたいとの思いから、PTAのクラス役員を引き受けます。
PTAを通じてたくさんのママ友ができたフサエさんは、アヤさん以外のママたちと過ごす時間も増えていきます。
「友だちづくりが苦手なアヤのためになればと思って、ランチなどの度に声をかけていました。でも、いつもあのママは苦手とか、このママは気が合わないとかの理由で断られました」
断らせ続けるのも申し訳ないと感じたフサエさんは次第に声をかけなくなり、必然的にアヤさんと過ごす時間は以前より減っていったそう。
「それでも、お茶したり家で会ったり、ふたりで会う時間はつくっていました。私にとってアヤは大切なママ友のひとりですから」
子どものことや園のことなど他愛ない会話で過ごすアヤさんとの時間。しかしある日、「ママ友たちが陰でフサエの悪口を言っている」という話をきっかけに、アヤさんはママ友たちの悪い情報を頻繁に言うようになり、「そんな人たちと付き合わないほうがいいよ!」と忠告するようになったそう。
はじめはショックを受けたり驚いたりしていたそうですが、ママ友たちとアヤさんの話に矛盾を感じ、不信感を抱くように。
「アヤが偏見を捨ててみんなと仲良くなれるように『それはアヤの勘違いだよ』、『○○さんはそんな人じゃないよ、大丈夫だよ』って、私なりの思いを伝えるようにしました。すると次第に『フサエは騙されてる』、『あなたは変わった』、『最近おかしいよ!』って私を責めるようになってきたんです」
居心地の悪さを感じるようになったフサエさんは、アヤさんと距離を置くことにしました。
不妊治療をともに乗り越えたママ友の執念
ママ友環境で感じた温度差
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