亡き愛猫「テト」は永遠に“うちの子”。たとえ肉体がなくなっても…
亡くなる2日前に“命がけの甘え”
そんなある日、テトちゃんの甘えっぷりが激化。 「普段はベッドの枕元にある猫用のコタツで寝るのですが、その日は僕がベッドに入ると、ほふく前進のように這ってベッドに潜り込んで来た。今から思えば、これは死期を悟ったがゆえの“命がけの甘え”だったのかも知れません」 それから2日後、テトちゃんは天国へ旅立っていきました。 その日、サイガさんは夜勤を終え、早朝に帰宅。家のドアを開けて明かりを点けた瞬間、目に飛び込んできたのは玄関で息絶えている愛猫の姿。玄関タイルと同じくらい冷たくなった身体に触れたサイガさんは、その場で泣き崩れました。 「もしかしたら、野良出身のテトは最後の力を振り絞って外へ出て大地で最期を迎えようとしたのかも知れませんし、玄関で僕の帰りを待っていたのかも知れません。真実は分かりませんが、いずれにせよ冷たい玄関で最期を迎えさせてしまったことをずっと悔やんでいる。あの光景と絶望感は、今でも時々フラッシュバックします。」どんなにフラフラになっても、気力を振り絞って命懸けで俺に甘えてくるんです。甘える事が生き甲斐な、そんな猫です。
— サイガ@下手の猫好き (@johndog_saiga) 2020年1月15日
俺はというと、この甘い時間があとどれだけ残されているのだろうかとか考えて、今日も泣いています。男のくせに、オッサンのくせに、女々しくてダメですね。#ウチのねっこ pic.twitter.com/O7gU914S0K
亡くなってもずっと愛しい「うちの子」
「この10年間のどの思い出にもテトがいる。テトは、違う生き物と共に生きることの大切さと不思議さを教えてくれた。そこには愛や友情、強い絆がありました。この先、僕の人生が何十年続いたとしても一緒に過ごしたあの日々は輝きを失わないまま、心に在り続けます」 最期に立ち会えなかったという後悔は愛猫への想いが強いほど、色濃くなるものです。しかし、10年間愛し愛されたテトちゃんはひとりぼっちで亡くなっていったのではなく、サイガさんの愛に包まれながら安らかに旅立っていったはず。 思われ、愛され、生涯を全うしたテトちゃんはたとえ肉体がなくなっても、ずっと愛猫であり、大切な“うちの子”です。 「今はまだ違う子を迎え入れる気持ちにはなれないけど、いつの日か別の猫にテトと同じか、それ以上の愛を注げたらいいなと思います。それが出来るようになったとき、僕はより強く優しい人間になれると思う。今は焦らず抗わず、そのときを待ちたい」 そう語るサイガさんは、テトちゃんの存在と思い出を抱きしめながら、これからも歩み続けていきます。 「あたしがいないとやっぱりだめね」 そう思ったテトちゃんが姿を変え、再びサイガさんのもとにやってくる日は、もしかしたらそう遠くないかもしれません。 <文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】テトの最後の姿です。今、テトの魂は空へ還って行ってる最中です。
— サイガ@下手の猫好き (@johndog_saiga) 2020年2月11日
よく頑張ったね。空の向こうでもきっと楽しい事があるよ。
ここへ来てくれてありがとう。
俺と出会ってくれてありがとう。
例え世界中が忘れても、俺だけは、テトという誇り高き猫がいた事を忘れないよ。
だから貴女は死なない。 pic.twitter.com/6upC4b0cyY
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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