一報、都内に住む川崎恵理子さん(仮名・35歳)は、某ファーストフード店に勤務するパート主婦。緊急事態宣言で、店は宅配に追われていて忙しい毎日を送っているといいます。

写真はイメージです(以下同)
「他のパートの主婦の人たちが今回、学校が一斉休校になったことで休みになって、私のシフトが一気に増えたんです。うちも娘が2人いるのですが、幸い、姉夫婦が近くに住んでいたことから預かってくれるようになりました。
3月下旬からは夫がテレワークになったので面倒を見ると言ってくれたのは良いのですが、ただ見ているだけで、他のことは何もやってくれないんですよね。パート人数が少ない状態で朝から午後までシフトはすでに組まれてしまっているので、休むわけにもいかなくて。これ以上娘の勉強が遅れたらどうしよう……と本気で悩んでいます」
恵理子さんの夫は大手建設会社に勤務していますが、今回のコロナ禍で仕事は激減してしまい、テレワークでも毎日ヒマそうにしているというのです。
「かかってきた電話に出るだけで、後はゲームをしているかZoomで飲み会をしているんです。私のパートが早朝勤務のときに、朝3時頃に起きたら旦那の部屋から笑い声が聞こえてきたんです。何をしているんだろうと思って覗いてみると、なんとZoomで飲み会をしているんですよ。
もともと、接待が多い仕事なのでテレワーク以前からも朝方に帰ることもよくあったのですが……。ずっと家にいてヒマなのも分かるんですが、こんなときこそ少しくらい我慢できないのかな? と思いましたね」
恵理子さんを悩ませるものは、それだけではありません。
「長女が今年から小学校4年生になったのですが、学校が再開できないので4月末から学習計画課題が出たんです。朝9時から午後2時半まで、みっちり勉強しなくてはいけなくて。でももともと、勉強嫌いな上に成績もイマイチなので、課題が全然進まないんですよね。私がパートから帰ってから無理矢理やらせてはいるのですが、これで本当に授業についていけているのか不安で。
さすがに、このままではマズイのではと思ったのでオンライン塾を受けさせてみたら、ぼーっと座っているだけでノートも取っていない。最初から休校がGW以降もなると分かっていればパートの調整をして、昼間見ることもできたのに。それを夫にボヤいても、夫はPCで動画を見ていて全然聞いてくれませんからね……」
夫からすればテレワークで仕事が減ったということもあり「在宅勤務=休み」という感覚になっているのかもしれません。
今後、少しずつ学校が再開したり、出勤する人が増えていくでしょう。「家族はベッタリ一緒にいないほうがいい」というのは、コロナの教訓だったかもしれませんね…。
<文/結城>
結城
ライター・社会取材系。子育てや家庭問題、現代の生きづらさなど、社会の現実に根ざしたテーマを取材し、読者に考えるきっかけを届ける記事を執筆。