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Vol.15-1 “心を病んだ彼女”に憧れて同棲…男性を待っていた「地獄の軟禁生活」

まるで手のつけられない子ども…

 しかし同棲が始まると、1週間も経たないうちに仲本さんは打ちのめされる。 「僕が何をしていても怒るんです。志津は朝から晩まで基本的にイライラしているから、僕の行動・言動がいちいち気に障る。仕事で帰りが遅ければ『どれだけ待たせるの』と怒り、自分が興味を持てない話題を僕がすると黙り込んで不快な顔をする。 自分が早く寝たい時に僕がまだ起きていると『寝たいんだけど』と苛立ち、自分がまだ起きていて酒を飲みたい時に僕が寝たいそぶりを見せると、あからさまに不機嫌。夜眠れない、古新聞がたまっている、近所の物音がうるさい――ありとあらゆる不快を、全部僕にぶつけてきました※写真はイメージです ぶつけられる不快に対し、当初は仲本さんも不服を漏らしていた。 「僕が不服の表情をすると、ものすごい奇声を上げて錯乱するんです。大泣きしながら、声にならない声を、声帯全部を使って思い切り絞り出す感じです。『キィァァァァァァァァーーーーー!』って。それを延々繰り返して、暴れる。僕がおさえつけると『触るなぁーーーー!』って叫んで、信じられないほど強い力で振りほどこうとする。小さな子と一緒です。足をバタバタさせ、泣きじゃくってヒックヒックしている。 あまりに叫ぶので困ってしまい、『近所の目もあるから、少し声を落とそう』と言うと、『はぁ? 聞かせてやればいいよ!』と言って、窓を開けはじめました。どうしようもなかったです」  ある朝、出勤前に玄関先で志津さんが錯乱した。原因は、帰りの時間を聞かれた仲本さんが「今日は取引先との飲み会だから、タクシーかもしれない」と答えたからだ。 「大声で僕を叱責しだして、『ふっざけんな! 私を放って何遊び歩いてんだ! もう別々に暮らす!』と。しかもその悶着の最中に玄関ドアが開いていて、怒号を不審に思った隣の号室の初老夫婦が、様子を見に外廊下まで出てきてしまったんです。向こうのご婦人がドアの隙間からこっちを覗き込んで、『大丈夫……?』と。そうしたら志津、『アァ? 何見てんだっ!』って。それまで彼らとはエレベーターで一緒になった時に世間話くらいはする仲だったんですが、このことがあってからは会っても話さなくなりました」  夜の営みについても教えてくれた。 「同棲当初は週に1度くらいセックスをしていましたが、ベッドに入る直前に彼女が不機嫌を僕にぶつけてきたりすると、気持ちが挫けてどうしても勃たないんです。前戯で愛撫されてもいっこうに勃たない。するとやはり怒る。叱責すると言うより、これ見よがしの大きなため息をついて、ふて寝される。僕は『ごめんなさい』を連発しながら、自分がとても情けない人間だという事実に打ちのめされながら、眠りについていました」

土日は彼女をずっと「見て」いる

※写真はイメージです 仲本さんは志津さんの不機嫌を「過度の束縛」「被害妄想」「癇癪(かんしゃく)」の3つに大別した。まず「過度の束縛」。これは仲本さんが四六時中、どの瞬間も常に、志津さんのことを見ていなければならないことだという。一例として、週末の過ごしかたを教えてくれた。 「土日はずっと家にいなければなりません。志津は13時ごろまで寝ています。僕は遅くとも11時までには目が覚めてしまうから、それから2時間ほどはベッドの隣でじっとしている。勝手に起きて好きなことをやっていると怒るので、布団から出られないんです。 13時過ぎに起きると、志津はゆっくり昼食を作りはじめます。僕はその間、勝手にテレビをつけたり携帯を見てはいけないので、傍目でキッチンの彼女を目視しながら、ソワソワしています」  テレビを……つけてはいけない? 「そういうルールが自然に固まったんです。彼女が家にいる時、僕だけが勝手にテレビを見てはいけないし、携帯をチェックしたりメールを打ったりしてはいけない。彼女のいる前で電話に出てはいけない。彼女がいる時は彼女にずっと視線を送り、注視していなければならないんです。 週末、僕がひとりで外出するのは基本的に禁止。駅前までの買い物はOKですが、電車に乗って都心へ出かけたり、友人と会ったりするのは許してくれない。同棲して間もない頃、長い付き合いの友人女性が深刻な婦人科系の病気で入院したので、無理を言って土曜にお見舞いに行かせてもらったんですが、帰ってからネチネチ責められました。私をひとりにするなと」  ほとんど軟禁状態だ。
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僕に選択権はない
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