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コロナ禍で“家族との溝”を再確認、カウンセリングへいった女性の胸中

 緊急事態宣言もやっと明け、一旦安堵の空気が世間にも流れてきています。  自粛の間、太ったり痩せたり、はたまたメンタルにも様々な影響があった人もいたようですが、千尋さん(30)は、コロナをキッカケに家族との付き合い方に、大きな変化があったそうです。

もともと両親との折り合いがよくなかった

もともと両親との折り合いがよくなかった

写真はイメージです(以下同)

 千尋さんは元々、厳しかった親に苦手意識があり、18歳で家を出てからずっと一人暮らしをしていました。 「父親も母親も教育熱心すぎて厳しく、私の話を全然聞いてくれる感じではありませんでした。またハードワーカーの父は自宅にいることがほぼなく、自宅では酒癖の悪い人でした。『家族団らん』というものがどんな感じか、未だにわからない状態でした。  でも、ふと30歳の自分を見ると、家族は苦手でも、働き方は父と全く同じのハードワーカー。また自分に厳しい感じは、教育熱心な母を模倣しているようにすら見えていました」

コロナで家にいる時間を“怖い”と感じるように

 そんな悩みを抱えていた千尋さん。普段はこういった自分を振り返る時間も取れないくらい忙しかったそうですが、コロナ禍になり、自宅待機する時間も増え、ふと心をよぎるものがあったそうです。 コロナで家にいる時間を“怖い”と感じるようにふと夜、自宅で一人でいるのが怖いって思ったんです。何をしたら良いのか、何かしないといけないんじゃないか。誰もこのまま訪ねてこなかったら、どうしよう……って、強迫観念にとらわれ、心臓がバクバクしたんです」  その感覚の元をたどると、親と住んでいた家での記憶が蘇り、彼女は「これはまずい」と感じたそうです。

カウンセリングで根本原因を振り返る

 せっかくの時間を有効に使わないと。そんな発想から彼女は自粛中、オンラインのカウンセリングを何度か受けたそうです。相談内容は「親とのこと」。偶然にも相性のいいカウンセラーさんに出会い、千尋さんは自宅での恐怖感と、幼少の頃の生育状況を伝え、少しずつ自分の中のわだかまりに気づいていったそうです。 「私の中で、父親への怖いという気持ちと、家族に分かってもらえない寂しさ、みたいなものが凄くあることが理解できました。その中で、家=安らげない場所、という認識もずっと残っていたし、なんとなく結婚に向かない気持ちがあったのも、ここから来てるなーって、知ることができました」
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不安を自覚し、少しずつ克服の道へ
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