家事でモメない収納にはコツがある。ゴロゴロ夫を変える部屋の作り方
「ダンナが家事を全然しない、みんな私任せなの!」
そんな怒りがあちこちで噴火しています。新型コロナウイルスでリモートワークなどが増えた結果、家事分担でモメる家庭が増えているようなのです。
そんな中、10年も前から「家事シェア」を研究・提唱し続けている稀有な男性がいます。NPO法人「tadaima!」代表理事で一児のパパ、三木智有(みき・ともあり)さんです。
三木さんは元インテリアコーディネーターで、この7月に著書『家事でモメない家づくり』を上梓。家事でモメないためには、家具の配置や収納の仕方など「仕組みづくり」も重要だというのです。
「家族をチームとして運営していくには、どちらか一方が手伝うのではなく、家事育児を協力しあう『家事シェア』というスタンスが必要です。
どのような家族のカタチをイメージするのか。それによって自分たちに必要な環境も違ってきますが、もっとも有効な家事シェアの手段のひとつが、家の、部屋の『モヨウ替え』です。モヨウ替えをすることで、家族のチーム化が一気に実現します。
モヨウ替えの過程で、家族が抱える暮らしの課題や理想を“見える化”し、課題を解決してもっと暮らしやすくするルールと環境を作り出していくのです。きれいごとに聞こえますか? でも実際、モヨウ替えをきっかけに夫婦で暮らしを見直し、いままでウヤムヤにしていた気持ちを伝えあい、信頼関係がより深まっていったご夫婦を、僕はたくさん見てきました」(三木さん)
では、どうモヨウ替えすれば、夫や子供が家事をするようになるのでしょうか? 同書にも出てくる実例を、いくつか挙げてもらいました。
「夫や子供は、物を出したら出しっぱなし!」とボヤく妻は多いもの。
そこで三木さんが提案するのは、収納スペースを「パパ用」「ママ用」「子供用」のように人別に分けることです。
「家事シェアをするためには、何よりもまず、家族それぞれが『自己管理』できるようになること。家族それぞれが、自分の物は自分で片づける。そのための収納のコツはたったひとつ。
『収納は人別につくる』ことです。
個人の所有物…たとえば衣類や趣味用品・仕事や勉強の道具などは、すべて自分用の収納スペースに、自分でしまうようにするのです」(三木さん、以下同)
たしかに、私たちはつい「種類別」に収納しがち。例えば、家族のハンカチはみな同じ引き出しに、子供2人のおもちゃは一つの箱に…。
「収納を人別にすると、物の管理は所有者よりも場所単位でおこなわれます。ちょっと極端に言うと、『パパのハンカチだからパパが自分でしまう』のではなく、『パパしか開け閉めしない引き出しにハンカチをしまうから、パパが自分でしまう』のです。
いったん個人別に場所を分けたあと、それぞれが、自分で使いやすくするために分類すればいい。これが家族の自律につながります」
なるほど!
では反面教師として、「家事でモメやすい収納」とはどんな特徴があるでしょうか?