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Vol.16-2 離婚した妻が包丁を手に「金貸せーっ!」。ホラーのような離婚劇の結末は…

「厄介な娘」を見放した父親

 警察署に連行される亜子さん。同行し、隣の部屋で待機する筒本さん。すると亜子さんの怒号が壁の向こうから聞こえてきた。「お前なに警察呼んでんだよぉ! ぶっ殺してやるからな!」。筒本さんに向けた言葉だった。  無論、筒本さんが亜子さんを引き取るわけにはいかない。警察は隣県に住んでいる亜子さんの父親に連絡を取ったが、警察に迎えに行くのを拒否されたという。その父親については結婚前から違和感があったと、筒本さんは振り返る。 写真はイメージです「亜子が父親と仲が悪い、話が合わないというのは結婚前から聞いていました。その父親もかなりの変人です。結婚の挨拶に行った時、耳が悪いのかそういう性格なのかわかりませんが、自分の都合だけをバーっと話して、人の話をあまり聞いてない。しかも『娘を厄介払いできてホッとした』と顔に書いてありましたよ。嫌というほど知ってたんでしょうね、亜子が厄介な娘だということは。 亜子も亜子で、それまで聞いたことのない汚い言葉で『このじじい』とか『母はこいつのせいで亡くなったようなもの』と実の父親のことを罵っていました。なぜ彼のせいで亡くなったのかは、結局聞けずじまいでしたが……」

「お前のババアもぶっ殺す」

 結婚に際し、筒本さんは不安にならなかったのだろうか。 「当時は特になんとも思いませんでしたが、今から考えれば浅はかでした。その父親とも親類縁者になるんだから、もっと考えてもよかったですね……」  結局、亜子さんはパトカーに乗せられ、父親の住む実家まで送り届けられることになった。筒本さんの携帯には、移送中も亜子さんからのLINEが届き続けたという。「ぶっ殺す」「お前のババアもぶっ殺す」。ババアとは筒本さんの母親のことだ。筒本さんはこれを警官に見せ、警官の巡回ルートに実家も入れてもらうことにした。  しかし、話はまだ終わらない。
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赤帽が勝手に荷物を運び出す
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