Vol.16-2 離婚した妻が包丁を手に「金貸せーっ!」。ホラーのような離婚劇の結末は…
「震災やコロナと同じ」
いやあ……と曖昧な返事をすると、すかさず言われた。
「自己責任論とか言うの、なしですよ(笑)」
日頃から防災の備えがあれば、あるいは適切な行動を取っていれば、震災で命を落とすことはなかったのか。新型コロナに罹患したのは外出自粛を怠ったからなのか。結婚に失敗したのは、「そういう妻」を選んだ男の責任なのか――筒本さんが言っているのは、そういった類いの自己責任論だ。
筒本さんはこれまで嫌というほど、「失敗した結婚」についての自己責任を周囲から問われ続けたのだろう。
数年後知った事実。元妻はちゃんと働けていた
稲田豊史
編集者/ライター。1974年生まれ。映画配給会社、出版社を経て2013年よりフリーランス。著書に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)、『オトメゴコロスタディーズ』(サイゾー)『ぼくたちの離婚』(角川新書)、コミック『ぼくたちの離婚1~2』(漫画:雨群、集英社)(漫画:雨群、集英社)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)がある。【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga


