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アットコスメ上半期1位のアテニアのクレンジング。安さの秘密を社長に直撃してみた

高品質の商品を“一流ブランド3分の1価格”。その秘密は?

 では最後に、一番気になっていた質問を。アテニアは、一流ブランドと同等の高品質の商品を、3分の1の価格で提供するとうたっていますが、そんなことをして、儲かるんでしょうか!? 「他社よりは儲かってないです(笑)。原価が高すぎるんです、本当に…。  他社さんの原価をたまに知ることあるんですけど、萎えますね(笑)。アテニアが低価格を実現できているのは、“全部”自分たちでやっているからなんです。研究所や工場も自社ですし、販売も自分たちでやっているので流通コストもゼロ!  例えば、今5500円以下の送料を350円にしているんですけど、これもかなり無理してギリギリまで抑えているんですが、やっぱり送料を取るのをやめてという声があるんです。それなら、この350円を商品に乗せて、商品を350円高くすることもできます。だけど、商品にそういうものを紛れ込ましたくない。中身に対しての対価にしたいので、価格設定は正直にやっていると強く言いたいですね」 アテニア斎藤智子社長 商品を作るときに原価の上限を決めないというポリシーもあるとか…。 「バカみたいな原価の設定と、バカみたいな限界を決めない商品作りができることに誇りを持っています(笑)。目標を達成するために原価は考えないので、フタを開けたら原価がめちゃくちゃ高いことも…。  抑えられる努力はしますけど、最終的にできなかったら、それは飲みます。だからといって価格をあげることはしない。だから、びっくりするほどの原価の商品とかあるんです(笑)」

40代女性は体力が衰えてくるのに、仕事も、家事も、子育てもやらなきゃいけない

 たとえ原価が高くても、低価格をキープするアテニアの信念には、斎藤社長のこんな思いが込められていました。 「今の日本の40歳以上の女性って、晩婚・晩産化でまだ小さいお子さんがいたり、仕事をバリバリやられていたり、昔の20代女性がやっていたようなことを、40代でやられているんですよね。  日本って女性がこんなに社会進出をしているにも関わらず、世界有数の男性が家事をしない国。  40代女性はどんどん体力が衰えてくるのに、仕事も、家事も、子育てもやらなきゃいけないし、責任も増してくる。体型も崩れてくるし、更年期もやってくる、老化もやってくる。そんな状況の女性たちを応援したいんです。  お金があるなしに関わらず、いいものを安く使えるにこしたことはないって、みんなが思ってますよね。だからこそ、一流ブランドの品質の化粧品を三分の一価格で30年間提供することに挑戦してきたアテニアにできることがあると思っています。  あとは、忙しい女性が鏡に向かうほんの一瞬だけでは『自分を大切にする時間』にしてほしい、そんな想いもありますね。  ただお客様のために…ということじゃなくて、変わりゆく世の中に対して、一緒に意見を言い合いながら高めてあって、みんなで立ち向かっていこうよ! っていう気持ちです。みんなが高めあっていけたらいい世の中になると思うし、アテニアがその先駆者になりたいですね」 アテニア斎藤智子社長

日本の40代女性たちに、日常の中に“上質”を取り入れることを堪能してもらいたい

 アテニアは、実は化粧品屋じゃないとも斎藤社長は言います。 「アテニアは、“品質が同じでもブランドの名前が付くか付かないかでこんなに値段が変わるのか!?”という衝撃からスタートしたんです。  化粧品の他にファッション、バッグ、ジュエリーなども扱っていますが、バッグやジュエリーはオーダーメイドの受注発注でやっているので、在庫を持たず無駄がないんです。その分、オールイタリアンメイドのバッグを安く提供できる。  このように、日本の40代女性たちに、日常の中に“上質”を取り入れることを堪能してもらいたいですね」 トータルビューティショップ「アテニア ファンケル 銀座スクエア店」 なにかと生きづらさを抱える40代女性たちを応援しながら、一緒に高めあっていけるようなブランドでありたいと語る斎藤社長。おどろくような原価を貫き、とことんユーザーによりそってくれ、日常に“上質”をくれるアテニアに、頼もしさを感じました。 <取材・文/満知缶子 写真/山川修一> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
満知缶子
ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。
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