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猫好きを装い、虐待するために引き取る「里親詐欺」。命を守る方法は?

面談の途中で猫をさらって逃げられたケースも

 そして、命を助けたいという想いを利用されたことも。 猫「以前、私が動物愛護センターから引き出した子が、騙されて収容された猫でした。騙された人は知り合いの知人だったのですが、『家に居着いた猫を飼いたいので捕獲してほしい』と言われ、捕獲したら、実は飼育する気がなくて即日、保健所収容にされたそうです。引き出して数ヶ月後にそれを知り、一緒に弁護士事務所へ行きました。  猫の“盗難”に遭ったという話も耳にしたことがあります。知人は以前、譲渡希望者と1対1で面談中、お茶を入れようと立った時に猫をさらって逃げられました

人の本性を見抜くことの難しさ

 また、保護団体よりも渡してもらいやすいのではと考え、保護猫カフェを訪れる詐欺師もいるよう。実際、保護猫カフェの元スタッフは、言葉巧みに一般人を装う虐待者をどう見抜くか悩んだと語ります。 「里親希望の人を審査書類していた時、別のスタッフが偶然にもその人と同じ学校で、昔、動物虐待をしていたことが判明。もしかしたら更生したのかもしれないけれど、心情的に譲渡はできなかった。人の本性を見抜くことの難しさを痛感しました」  どんな場所やどんな相手でも、里親詐欺は起こり得るもの。そう知ることが、悲しい思いをする動物を生み出さない第一歩になるのです。

里親詐欺を防ぐ5つの方法

 里親詐欺を防ぐには、譲渡時にいくつかの条件を設けることが大切。譲渡のハードルをある程度高くすることで、虐待者に目を付けられにくくなります。

① 譲渡契約書と用意と身分証明書の提示

運転免許証 一番大切なのが譲渡契約書へサインしてもらうことと、身分証明書を提示してもらうこと。譲渡契約書には氏名や住所、連絡先などを必ず記入してもらい、身分証明書はコピーし、手元に。万が一の時に対応できるよう、どちらも保管しておきましょう。

② 譲渡費用をお願いする

 詐欺師の中には身分証明書を偽造する人もいるため、里親詐欺を防ぐには身分証明書の提示と共に、譲渡費用のお願いをする必要があります。ただし、譲渡費用はあまりにも安価だと効力がなく、高すぎると譲渡が滞ってしまうのが問題。筆者の知り合いの保護団体では譲渡費用の導入をめぐってメンバー内に亀裂が生じてしまったこともあったので、方向性の共有が難しい場合もあるかもしれません。  けれど、譲渡費用を受け取ることは別の猫を保護したり、保護活動を続けていったりするためにも大切なこと。保護団体にのしかかる負担を軽減することにも繋がるので、前向きに検討していく必要があります。
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受け渡しは相手の自宅で
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