猫好きを装い、虐待するために引き取る「里親詐欺」。命を守る方法は?
横のつながりを広く持ち、みんなで動物を守る
現状では難しいものですが、SNSなどで不審な多重応募者を見つけた場合、保護団体や保護猫カフェへ情報を共有し、譲渡を防げるような仕組みを作っていくことも今後、求められていくはず。SNSなどで注意喚起を拡散するのには限界があるので、横のつながりを広く持ち、「みんなで動物を守る」という意識を強めていきたいものです。
譲渡時のルールは厳しくしすぎると譲渡が進みにくくなり、命を助けること自体が難しくなってしまうためバランスが難しいところですが、里親詐欺を防ぐにはいくつかの条件を設けることが大切です。ちなみに、保護猫や迷子猫の場合は拾得物として警察に届けると、譲渡時に警察で書類を書いてもらえるので安全性が高まります。
もしもの時は
信頼できる保護団体を見分けるには、「収支決算書は不透明ではないか」「血統書とMIXの両方を保護しているか」「団体としての主張に一貫性はあるか」「ホームページに住所や連絡先、代表名などが記載されているか」などをチェック。メディアの情報だけを鵜呑みにせず、万が一の時に頼れる身近な保護団体を探してみてください。
里親詐欺を防ごうとしても一個人の努力では、限界があります。けれど、譲渡条件を設けつつ、横のつながりを強化していけたら、少しずつだけれど犠牲になる動物は減っていくはず。命を守るには里親詐欺を「自分事」として取られ、各々ができる対策法や協力法を探していきましょう。
<取材・文/古川諭香>古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291


