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都会から田舎へ“コロナ移住”を決めた5人家族。家への意識がガラリと変化

これから住むなら“住みたい街”より“住民に愛されている街”

 宮崎さんのケースは「実家が空き家」ということでトントン拍子に移住先が決まりましたが、どこにも縁がない場合はきっと悩んでしまうはず。また、住み替えるにしても地方移住より近郊での“転居”が現実的……という人も多いですよね。  住まいの動向に詳しい『SUUMO』編集長の池本洋一さんに、コロナ移住における移住先、住み替え先の選び方について聞いてみました。
『SUUMO』編集長の池本洋一さん

『SUUMO』編集長の池本洋一さん

「今年、弊社では初めて『住民に愛されている街』を調査したのですが、JRのターミナル駅が上位を占める『住みたい街ランキング』と打って変わり、私鉄沿線や急行電車の止まらない駅がランクインしてきました。この結果はコロナ移住において要注目で、なぜなら『愛されている街』は“住みやすい”という実感値に基づいて選ばれているから。在宅の時間が増えるということは地元で過ごす時間が増えるわけで、だったらより心地よく暮らせる街を選んだほうがいいですからね
住みたい街・愛されている街ランキング2020

リクルート住まいカンパニー「住みたい街・愛されている街ランキング2020」
(調査期間:2020年1月6日~2020年1月16日、回答者数:7,000人)

 なかでもおすすめなのは、7位の『東北沢』のような大型駅の隣駅だとか。 「東北沢はさまざまなお店が揃う下北沢駅の隣駅。こうした駅に住めば、静かなエリアで暮らしつつ、買い物や遊びは隣の賑やかな駅で楽しむ……と、いいとこ取りができます。また、多くの人が降りない駅は飲食店に地元の人しか来ないので、コミュニティに馴染みやすいのもメリット。家賃も割安になり、ファミリータイプなら近隣の大型駅より3~4万円安く住むことができます」

「近郊外」の「人気駅の隣町」を見逃すな

 とはいえ、「都内では金額的に厳しいので、やはりもっと安く広い家に住める地方に行きたい」という人もいるはず。その場合も、おすすめは“人気駅の隣町”だそう。
「GREEN SPRINGS」

2020年4月、立川駅北側に開業した新街区「GREEN SPRINGS」(画像:リリースより)

「たとえば埼玉県の『加茂宮』は、知名度は低いですが人気の大宮駅からモノレールで2駅めで、駅前には大きなショッピングセンターが。ほかにも大きな病院や図書館、公園などさまざまな施設が駅近くに揃っているため、気軽に大宮駅を利用しつつ、最寄り駅でも自己完結できる非常に便利な場所なんです。  そのほか、都心並みにオシャレで充実した商業施設や文化施設が揃う『立川』は、都市の便利さと自然の豊かさ兼ね備えた郊外最強駅。その隣駅で、立川より安く静かな『高松』もイチオシです。仕事がテレワーク化したとはいえ都内への通勤もたまにあるという場合は、こうした通勤可能な“近郊外”に住み替えるのがベストだと思います」  コロナ禍においても都心の人気は大きく揺らいでいないものの、「“強みのある郊外”との人気の差が今後はどんどん詰まってくるはず」と池本さん。住みやすく愛着が持てる近郊外、要チェックです。 <取材・文/持丸千乃 コメント/池本 洋一>
池本 洋一
株式会社リクルート住まいカンパニーの不動産・住宅情報サイト『SUUMO』編集長。住まいの専門家としてテレビ・新聞・雑誌などのメディア出演、講演、執筆を行う。また、内閣官房、国土交通省、経済産業省等の委員会の専門委員も歴任。
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