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夫ががんになって家賃が払えない…金の切れ目が“命の切れ目”の日々

夫が会社から解雇通知を受ける

 何度か「家賃が払えない」「ガスが止まった!」と生活上のピンチを迎え、そのたびに行政や福祉協議会などへ相談に行きましたが、私が働けていることや傷病手当金をもらっているということもあり「もっと状況が悪い方もいらっしゃいますので、助けられる制度はありません」と毎度追い返されていました。 夫が会社から解雇通知を受ける そして、ついに傷病手当金受給期間の1年半を過ぎ、夫は会社から解雇通知を受けたのです。確かに抗がん剤などの治療のときだけはどうしても休まなければならず、フルタイムでは働けない状態だったこともあり、夫は会社を辞め、就職活動をすることに。しかしがんサバイバーを受け入れてくれる会社はなかなか見つかりませんでした。  いよいよ我が家の経済状況は最悪を極め、「借金」という選択肢がちらつき始めた頃。池上彰さんの番組で住宅確保給付金という制度を知りました。生計維持者が離職して家賃が払えなくなったときに、一定の条件を満たせば使える給付金制度。運よく条件が当てはまっていたため、すぐに役所で手続きをし、なんとか3か月の生活は担保できることに。行政より頼りになったのは池上先生でした! 本当にありがとうございます!!

障害年金の申請は賭けだった

障害年金の申請は賭けだった さらに、脳梗塞の後遺症で障害年金を受給できるかもしれない、と友人から聞き、障害年金の申請もしてみることに。ただ、申請にはたくさんの書類が必要で、役所で戸籍謄本、主治医と脳梗塞が見つかるに至るまでのすべての医師からもらう診断書や証明書、リハビリテーション科での診断書、さらに今までの症状について自身で記載する申立書など、準備にはかなりの時間がかかります。  さらに診断書の発行に数万円かかるため、先行投資が痛い……! 場合によっては申請が通らないこともあるため、ある意味「賭け」のようなところはありましたが、なんとか無事に申請が通り、いくらかもらえるように。  ただし、申請してからお金をもらえるまでかかった時間は半年……。もっと早く申請すればよかったです。ちなみに、夫は脳梗塞の後遺症で申請しましたが、抗がん剤の副作用などで障がいを負った場合も受給できる場合があるそうです。

お金を惜しまずに使ったこと

 障害年金をもらったのは亡くなる数か月前だったので、ほぼずっと経済的にギリギリの生活。しかし、夫との思い出にはお金を惜しみたくなかったので、旅行や外食など夫が「したい」と言ったことはなんとか叶えられるよう、私はがむしゃらに働きました。  おかげで、闘病中に何度も過去最高の月額収入を更新。人間なんとかやればできるものだということを痛感しつつ、夫ともたくさんの思い出を残すことができました。  次回は、そんながんサバイバーとなった夫との生活や日々の心境についてお話ししたいと思います。 ―シリーズ「私と夫の1063日」― <文/関由佳> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
関由佳
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。Twitterブログ
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