「簡単に死ねない」難病の飼い主に、サビ猫・ミィが“生きる希望”をくれた
【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.36】
ここ数年、猫をペットショップで買う人だけでなく、保護猫カフェやボランティア団体から猫を譲渡してもらう人も増えてきました。今日紹介する飼い主さん(@hi_pessimist)は動物愛護管理センター(自治体が野良猫などを一時保護する施設)から三毛猫を迎えようと考えていましたが、現在は1匹のサビ猫と暮らしています。
2人の間には一体、どんなドラマがあったのでしょうか。
8年前に一人暮らしを始めた飼い主さんは、ずっと猫を飼いたいと思っていました。しかし、仕事で家を空ける時間が長かったため、十分にお世話ができないだろうと考え、我慢していました。ところが持病の関係で休職し、孤立感が募ったことで猫と暮らしたい気持ちが高まっていったのです。
「持病があるのに猫の世話がきちんとできるのか、寂しさを埋めるために迎えてもいいのかと悩みました。飼わなくても、猫と触れあえば気持ちを抑えられるかもしれないと思って、体が動かせるときにペットショップや猫カフェへ行きましたが、余計に想いが募って……」
迎えるなら保護猫にしよう。そう考え、動物愛護管理センターの募集をチェックするように。そこで、目に留まったのが子どもの頃に飼っていた三毛猫の面影を感じさせる子。
絶対にこの子を迎えたいと思い、センターの見学へ行くため、譲渡登録申請書を提出。許可が下りるまでには1週間程度かかるため、他の人に決まりませんようにと毎日祈っていました。
「でも、残念ながら前日の夕方にホームページから写真が消えてしまっていて……。どうしてもっと早く書類を送らなかったのかと後悔し、落ち込みました」
そんなとき、頭に浮かんできたのが三毛猫の写真を見ていた時に出てきた、1匹のサビ猫。その猫になんとも言えない気持ちを抱き、せっかくならと思い、センターへ。実際に対面すると、あまりの愛くるしさにすぐに魅了されてしまいました。
「初めて見た緑色の瞳が、とても綺麗でした。私がケージ越しに指をかざすと、触ろうと手を出してきました。職員の方に軟便だからビオフェルミンを飲んでいたと聞き、私と同じだと親近感も湧きました」
人懐っこそうな子……。センターではそう思ったものの、実際に連れて帰ると待ち受けていたのは、ミィちゃんと名付けたサビ猫との“コミュニケーションがまったく取れない日々”でした。
「実家で飼っていた三毛猫はどこでも触れたので、猫はそういうものだと思っていました。穏やかな時間を思い描いていたのに、現実はまったく違って、触ろうとすると逃げられてしまう。私などいてもいなくても同じではないかと思うこともありました」
そこで、怖い思いをさせないように努め、自宅で安心してもらえるように奮闘。嫌われない飼い主になるため、ネットの情報を読み漁っては実行し、おもちゃで遊びました。さらに、なるべく話しかけるように意識し、おしっこをしたときなどには「ミィちゃんは賢いね、かわいいね」と語りかけました。
けれど、心の中には不安もありました。
「ミィは生後3週間でセンターに保護され、譲渡に適した時期になるまで育成ボランティアさんのお家で過ごしていた子でした。私のところに来て幸せなのか、前にいた家のほうが良かったと思っているんじゃないか…と考えてしまい、苦しかったです」