幼稚園でも鬼滅ごっこがはやっていますが、人を殺したり殺されたりといった行動の意味や、死の概念まで理解できている子どもはどれくらい居るのか気になりました。

「現実と物語の世界を区別できるかが一番大事かと思いますが、
死について理解できるようになるのは5~6歳以降と言われています。そのため、現実と物語は違うということを伝えていく必要があります。
アニメ作品では死んで蘇る描写も多いですが、現実には死んでしまったらもう戻ってこない、壊れてしまったら直らないものもあるんだよと。
例えば、身近な人が亡くなった時に、『おじいちゃんは死んでしまって、もう帰ってこないから寂しいね』とか、“もう帰ってこない”ということをメッセージで伝えていくことも一つではないでしょうか」
園児がアニメ『鬼滅の刃』のワンシーンを真似して、兄弟喧嘩の最中に弟の腕を掴んで「折るぞ」と言ったという話も聞きました。
このシーンは主人公が、子どもの髪を掴んで怒鳴っているキャラクターの腕を掴み、「この子から手を放せ! 放さないなら折る!」と本当に腕を折って助けるシーンです。
なんでも真似したがる年頃の子どもが、観たことをそのまま、それがひどいことだと理解せずに真似していたら、どのように注意すればいいですか。

「
子どもを叱るよりも、好ましくない“こと”を修正することが大事です。なので、人格否定みたいに怒鳴るのではなく、その行動は好ましくないと思うということを伝えてほしいです。
『何をやってるの!」と叱るよりは、『
お母さんは、折るぞなんて言葉は怖くなるからやめてほしい』『弟君も怖いと感じるからやめてあげて』など少し言い方を変えるとよいかと思います。他の人の気持ちに配慮できるような言葉をかけていくことが望ましいですね」
たしかに、単純に真似を禁止にしただけでは、別の作品を観て同じようなシーンがあった時に、同じことを繰り返してしまうかもしれません。