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妻に浮気された夫、慰謝料請求しても1600万円の赤字になった落とし穴

妻が妻子持ちのプロデューサーと浮気

 セックスレスになってからの谷口さんと明子さんは、マンションのそれぞれの自室で別々に寝ていた。結婚8年目のこと。深夜3時頃、明子さんが玄関のドアをそっと開ける音で、谷口さんは目が覚める。 「いつもは明子が遅くまで飲んで帰ってきても、僕が目を覚ますことはないんです。なのに、その日に限って、なぜか……」  谷口さんはその時、結婚して以来はじめて、明子さんの携帯電話を見たいという衝動にかられた。なぜそんなことを突然思ったのか、今でも理由はわからないという。  明子さんが寝静まったのを見計らって部屋に入り、携帯を手に取った谷口さん。当時の携帯はガラケー。パスワードロックがかかっていたが、「0000」と打ち込んだところ、なんと解除できてしまう。 ぼくたちの離婚 Vol.17大量の浮気メールを発見しました。相手は僕も明子から紹介されたことのある、某TV局のプロデューサーA夫。妻子持ちです。別の友人から、彼の局内での悪い噂は聞いていたんですが、よりにもよって、こいつかよ、と」  谷口さんは後日、明子さんが入浴中に彼女の携帯からマイクロSDカードを抜き出し、データをパソコンにコピー。過去1年ほどの浮気メールの文面を、エクセルにひとつずつコピペしていった。動かぬ証拠を確保するためだ。しかし谷口さんはこの時点でも、明子さんに申し訳なさを感じていたという。セックスレスを放置していた「責任」である。

ガラケーの「送信ランキング」でバレる

 谷口さんは明子さんを罰するのではなく、浮気相手と引き離そうと考えた。携帯メールを見たことは伏せ、明子さんにカマをかけたのだ。「A夫さんと、なんかあるの?」。当然ながら明子さんは「根も葉もない」と逆上、頑として認めない。  そこで谷口さんは、明子さんにこう言った。「じゃあ僕から彼に直接連絡を取るけど、それまで君は彼に連絡しないでほしい」。明子さんは承諾した。  谷口さんは翌日、A夫に電話。するとA夫は取り乱すでもなく、「明子さんとはただの友達なので、べつに構いません」。電話を切ったあと、谷口さんは明子さんに携帯を見せてほしいと言った。 「明子はぶつくさ言いながらも携帯を差し出しました。目の前でメールボックスを開けると、A夫とのメールは削除済み。予想通りです。ところが、当時の彼女のガラケーには、頻繁にメール送信した相手が表示される『送信ランキング』という表示機能がついていました。これは送信メール自体を消しても残っているばかりか、上位5人については、直近の送信日時まで確認できてしまう」  あんのじょう、谷口さんが「A夫に連絡しないでほしい」と言ったその日に、明子さんからA夫へのメールが送信されていた。谷口さんがそれを指摘すると、明子さんは謝るでも、言い訳するでもなく、逆ギレした。 「なんでそんなに私の携帯に詳しいのよ!」 ぼくたちの離婚 Vol.17 谷口さんは呆れたが、深く追求はしなかった。  数日後、谷口さん、明子さん、A夫、A夫の妻による話し合いがもたれた。疑いを口にする谷口さん。しらばっくれるA夫と明子さん。泣きじゃくるA夫の妻。しかしこの時点でもまだ、谷口さんは携帯メールの証拠を彼らに突きつけなかったため、話し合いは不完全燃焼に終わった。 「やんわり『僕は知ってるぞ』と伝えることで、ふたりが関係を解消してくれるのを望んでいたんです。当時は、まだ」
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妻への信頼がゼロに
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