いとこが結婚してからというもの、両親は津川さんにも結婚を急かすように。
「誰かいい人はいないのかと聞き、早く孫の顔を見たいと言ってくるようになりました。いつまでも作りものの世界を楽しんでいてはいけないとも……」
そのたびに津川さんは結婚しないまま生きていきたいと訴えましたが、聞き入れてはもらえず……。それどころか母親は親向けの婚活パーティーに参加し、勝手に恋人候補を見つけてくるようになりました。
「母が好むタイプは私とはまったく違うし、将来的に同居が可能だとか、子どもを希望する人とか、自分の理想ばっかり」
見かねた津川さんは一度、婚活をやめてほしいと涙を流しながら訴えましたが「孫がいないと、近所でお母さんだけ浮いちゃう。
結婚してほしい、孫の顔が見たいっていう親孝行を望んじゃダメなの?」と言われました。
何を言っても理解をしてもらえないのなら、せめて母親の希望じゃなく、私がいいと思えるような人を探そう。そう思い、2年前から婚活を始めましたが、どの男性と出会ってもときめかず、結婚への道は遠くなるばかり……。

「些細な言動が目についてしまう。推しなら、こんなことしないのにって思ってしまいます。連絡も面倒で、仮交際になっても真剣交際になっても、会う前日にLINEをするだけ。恋っていうより、義務って感じです」
両親からの圧力は年々ひどくなり、結婚相談所のスタッフには煮え切らない態度を指摘されるなかで、津川さんは結婚の意味が分からなくなっていきました。
「
小さいころは、結婚って大好きな人と幸せになるためにする、キラキラしたものだと思っていました。でも、そもそも好きな人ができないのなら、どうしたらいいんでしょうか」
親と縁を切る覚悟ができたら、もっと「らしい人生」を歩めるだろうけれど、今の自分はまだ決心できない……。そう話す津川さんは現在、結婚相談所を介して「一緒にいても苦にならない人」を探しています。
結婚はその人が幸せになるための、ひとつの選択肢。津川さんの葛藤を知ると、自分の中にある結婚観をもう一度見直し、結婚の意味や捉え方を改めて考えたくなりますね。
<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291