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Vol.17-3 別居中の妻に子を奪われ、月26万の婚費を払う男性がそれでも妻を恨まない理由

ぼくたちの離婚 Vol.17 わが子を、わが手に #3】前回(#2)まで】 4年の海外駐在を終え、妻の葉月さん(仮名/当時32歳)とふたりの娘たちを先に帰国させた谷口和成さん(仮名/当時43歳)。しかし、1ヶ月後に帰国すると、葉月さんから「あなたとはやっていけない」という意思表示が。娘への過干渉と支配を目論む「毒親」による洗脳が進んでいたのだ……。 【vol.17 #1】⇒妻に浮気された夫、慰謝料請求しても1600万円の赤字になった落とし穴 【vol.17 #2】⇒カードで月40万円使う暗い妻。「妻は毒親に洗脳されてた」

子供に会えない…

 日本では現在、「子供の連れ去り」が社会問題になっている。  大前提として、日本では離婚した夫婦の共同親権は認められていない。父親か母親、必ずどちらかの「単独親権」になる。つまり、父親と母親は親権争奪に血眼にならざるをえない。親権を取れるか取れないか、1か0だからだ。なお、欧米諸国では離婚後は共同親権が普通である。  その親権争奪の際に“有効”な手段が、子供の連れ去りだ。そして谷口さんの妻・葉月さんはまさにこれを実行した。
※写真はイメージです

※写真はイメージです(以下同)

 相手が留守の間に子供を連れて家を出る。理由はでっち上げでもいい。「夫が自分に暴力をふるうので、子供と避難した」「妻が子供を虐待しているので守りたかった」等。無論、証拠がなければ、離婚裁判時にDVや虐待は認められないが、大事なのはそこではない。「子供がどちらと長い時間を過ごしたか」という事実だ。谷口さんは説明する。 「裁判所が父親と母親のどちらに親権を与えるかを決める際、重要になるのは、どちらが直近で子供の監護者(子供の身の回りの世話をする者)だったか、ということです。つまり、どんなにひどい親であっても、どんなに強引な手段で連れ去ったとしても、監護者にさえなってしまえば、親権争いで圧倒的有利に立てる」  そんな馬鹿な、と思われるかもしれない。しかし、それが現実だ。 「日本の法制度では『継続性の原則』といって、子供の監護者が“その後も引き続き監護者であること”が望ましいとされるんですよ。そこにはほとんど何の審査も議論もない。つまり“先に子供を連れ去ったもん勝ち”です

「ああ、これは入れ知恵があったな」

 いきなり離婚裁判を起こすのではなく、とりあえず子供と共に家を出て、何ヶ月なり何年なり子供とすごすという既成事実を作ってしまえば、いざ離婚となったときに親権を取りやすい。「その“うまい方法”を入れ知恵する“自称・人権派弁護士”が、巷には非常に多いんです」と、谷口さんは憤った。  離婚裁判は今も継続中だ。子供たちは葉月さんと共に生活しているので、監護者は葉月さん。つまり、谷口さんが親権を取れる可能性は皆無に等しい。 「葉月の母親も父親も離婚経験者ですから、そのあたりの事情には通じていたはずです。僕に離婚したいと連絡してきたのは葉月自身でしたが、その後の話し合いでだんだんわかってきました。ああ、これは最初から弁護士と両親の入れ知恵があったな、と」  子供を連れ去られた被害者は夫・妻ともに多く、情報交換のための私的なネットワークもいくつか組織されている。筆者が谷口さんと知り合ったきっかけも、この被害者ネットワークを通じてだった。
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多額の婚費で「赤字」
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