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別居中の妻に子を奪われ、月26万の婚費を払う男性がそれでも妻を恨まない理由

月26万円の婚費に、月4時間の面会

 谷口さんは現在、月額26万円もの婚費(婚姻費用/別居している妻または夫で収入の高い方が支払う生活費)を葉月さんに払い続けている。婚費は離婚成立後に設定される養育費よりも高額なので、義務者側の負担が大きい。谷口さんの毎月の収入からすると完全に持ち出し、「赤字」となっている。 「娘たちとは月に1度、4時間だけ面会できる約束になっていますが、葉月はなんやかんやと理由をつけては、回数や時間を減らそうとしてきます。先日は長女の運動会だったので観に行ったんですが、葉月からは事前に、『手を振るな』『声をかけるな』と厳命されました。運動会ですよ……。娘は僕に気づいてこっちを見るんですが、忖度して僕のところには来ない。あまりに不憫です……」  葉月さんの要求は、どんどんエスカレートしているという。 「僕に、『面会のとき、人前で“良い父親”のふるまいをするな』と言ってくるんです。めちゃくちゃですよ。葉月は周囲に僕が“悪い父親”だと触れ回っているから、僕が“良い父親”だと整合性が取れないんです……」  経済的にも、精神的にも苦しい日々が続いている。しかし谷口さんは、「どうしても言わせてほしいことがある」と前置きして、こう言った。 「自分の人生で子供が授かれたことには、心から感謝しています。そのこと自体に後悔はまったくありません。ただ、失敗した結婚の責任を僕が取らなきゃいけないのはわかるとして、それに子供たちが巻き込まれるのは絶対に違う」

ボランティア精神がなければ、近づくな

ぼくたちの離婚 Vol.17 #3 ところで、1度目の結婚はともかく、2度目に関しては、最初から葉月さんが精神的に不安定であることはわかっていた。なぜ谷口さんはそれでもなお結婚したのか。 「完全に自分の器を過信していました。『生きづらい人間を救ってやりたい』だなんて、傲慢にもほどがあります」  そして、「自戒を込めて、これから結婚する人に伝えたい」と谷口さんは言う。 「パートナーに“普通じゃない点”があると感じた場合、『気になるけど多分大丈夫だろう』とか『他にもいいところがあるんだし、見て見ぬフリをしよう』といった甘い見立ては、危険です。むしろ“普通じゃない点”を積極的に尊敬できるくらいでないと、乗り越えられません」  かなりシビアな結婚観だ。誰にだって欠点はあるし、必ずしも本人の責任とは言えない精神的な問題を抱えている人は、どうすればいいのか。 「精神的な問題を抱えているパートナーの相手をするなら、滅私のボランティア精神、あるいは“仕事”だと思って取り組まなければいけません。その覚悟がないなら、近づいてはいけない」  実際に壮絶な結婚生活を味わった谷口さんに、何かを言い返す気にはなれなかった。
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相手の出自を調べろと言っていた両親
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