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“結婚しない幸せ”の描き方が爽快!ドラマ『恋する母たち』の秀逸なラスト

 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗が出演した連続ドラマ『恋する母たち』(TBS系、金曜午後10時~)が18日に最終回を迎えました。放送後のSNS上では「秀逸な終わり方」「ハッピーエンド中のハッピーエンド」と称賛の声が。 “結婚しない幸せの形”を示した本作の結末を、男女関係や不倫事情について長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
(画像:『恋する母たち』TBS公式サイトより)

(画像:『恋する母たち』TBS公式サイトより)

「結婚はしない。でも一緒に暮らす」

 最後は、3人の女性がそれぞれ居心地のいい形を求めて落ち着いたようだ。  女性たちが歓声を上げたのは、林優子(吉田羊)と赤坂剛(磯村勇斗)の関係だろう。優子をライバル視していた元部下の有馬から、「赤坂さんと結婚するんです」と勝ち誇ったように告げられた優子。結婚式に来てほしいと彼女は言い、「林さんの前で彼と結婚したいんです」と続けた。  とどめを刺したい女の嫉妬心は怖い。相手が弱っていてもう立ち上がれないのに、さらにこれでもかと追い打ちをかける。この状態の女性に「武士の情け」はないようだ。  ただ、結婚式当日に有馬が不倫をしていることを知った赤坂は、タキシード姿のまま優子のマンションに現れる。 「もう自分に嘘はつけない」  そう言った赤坂に、優子もまた自分の気持ちをごまかすことは不可能だと知る。赤坂は結婚したがるが、優子は結婚はしないと告げる。 「でも一緒に暮らす」  愛しあうこのふたりに、結婚という形は必要ないのだ、今のところ。  さらに優子にはもうひとつの関係がある。それは元夫のシゲオとのそれだ。会社始まって以来初の女性取締役に出世が決まった優子だが、真っ先に伝えたのは元夫だった。シゲオは、息子をモデルとした小説がベストセラーになり、もはや優子へのコンプレックスもなくなっている。そうなって初めて対等に話せるようになった元夫婦の姿は、恋愛とは関係なく、おそらく一生続くであろう「人と人の大事なつながり」を示している。たとえ夫婦という形が壊れても、ふたりの関係は以前より強くなっているように見えた。

「籍より暮らし。一緒にいよう」

 “実”から入って形へと落ち着いたのが、蒲原まり(仲里依紗)と今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)のふたり。第4子となる息子を出産してからも、まりは丸太郎に会おうとしない。万が一、写真誌に撮られたりしたら、ふたりの関係が終わってしまうからだ。丸太郎を愛するあまり、臆病になっていく。
『恋する母たち』

ドラマの原作漫画『恋する母たち』(柴門ふみ)も、10月23日発売の7巻で完結している。/柴門ふみ『恋する母たち (7)』 (ビッグコミックス)

 一方、スキャンダルから弁護士の仕事を失った夫の繁樹だが、公認会計士の試験に合格して新たな仕事のめどもたった。立ち直った夫に、まりはようやく離婚を切り出す。だが夫は拒否。子どもたちまで巻き込んで泥沼化しそうになったとき、丸太郎がまりに言った言葉が心を揺さぶる。彼は実家に戻ろうとするまりを空港に追いかけてきてこう言うのだ。 「籍より暮らし。一緒にいよう。誰が何と言おうと、世間に後ろ指を指されようと、一緒にいよう」  夫による妻へのモラハラをずっと見てきた長男が、父親と対峙し、離婚するよう説得する。そうすれば子どもたちも自由に行き来ができる。長男は高学歴からは脱落したが、ラッパーとして人気を集め、生きる気力を取り戻して自信がついたのだ。
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まりと丸太郎の関係で心配なこと
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