また、電気カーペットを使用する際は、乾燥時に起きる静電気にも注意が必要。
「人と同様に、少しの痛みが発生する可能性があります。猫は痛みが苦手なので、そうした体験をすると静電気が起きた場所などを嫌いになってしまったり、ストレスで膀胱炎などになってしまったりする可能性があります」
静電気を減らすには、部屋の湿度を45-55%に保つことを意識していきましょう。
なお、ペット用のホットカーペットは安全性が高いものの、低温やけどの可能性があるため、猫が動ける環境スペースを作ってあげることが重要。
「44℃の暖房器具に3〜4時間程度触れると、低温やけどすることが分かっています。猫の体温は38度なので、それ以上であれば低温やけどの可能性はあります。猫が暑くなっていないかを、定期的にチェックしていきましょう」
身近にある暖房器具は、一長一短。それらをどう活かし、安全で快適な暮らしをさせてあげられるかは私たち飼い主の手にかかっています。
「猫はこたつで丸くなると言うように、寒すぎても活動性がなくなり、尿石症や膀胱炎などのリスクが生じてしまいます。ですから、適温な空間を飼い主さんがしっかりと作り、ストレスがないように過ごさせてあげてください」
愛猫に安全な冬越しをさせてあげるためにも今一度、使い方も含め、いつもの暖房器具を見直していきましょう。
【佐藤貴紀】麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。現在、株式会社WOLVES Hand 取締役CTO、
目黒アニマルメディカルセンター院長を兼任。
専門は「循環器」。「日本獣医循環器学会認定医」の一人 。医療YouTube、イチナナ生配信「名医のいる相談室」で活躍中。著書に『小学館ジュニア文庫 動物たちのお医者さん』『猫の急病対応マニュアル』など。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291