
もっと遠い先のことを考えると、格安スマホが「快適&大容量」になる可能性もあります。その「未来」とは「5G時代」です。
もし5Gでの通信が本格化すれば、現在使われている「4G/LTE」のインフラに余裕ができ、結果として格安スマホの通信速度が向上し、容量が増えるかもしれません。そうなれば格安スマホは、「庶民の味方」という地位を取り戻すことができるでしょう。
もっともこれは、希望的観測にすぎません。5Gの整備に並行して、大手キャリアが4Gインフラを削減する可能性もあります。そうなると、格安スマホ各社は行き場を失ってしまいます。
これに関しては、行政の意向によるところが大きいのが実情です。総務省は長らく「携帯料金が高すぎる」と言い続けており、「格安スマホ」と呼ばれるMVNOが制度化されたのも、通信料金の値下げが目的でした。
MVNOに参入した各社はいま、政策によって切り捨てられるかどうかの瀬戸際にいるわけです。直接は気にしなくて良いことかもしれませんが……。

「女子SPA!」では以前、「楽天モバイル」利用者の声を取り上げて紹介しました。「
1年無料・楽天モバイルって実際どう?「お得」「ヒサン」分かれる意見」という記事になっています。
昨年4月に「格安プラン」を開始している楽天モバイルの場合、すでに判断材料は出揃っていると言えます。
無料期間があることを別とすれば、楽天モバイルは弱点が目立ちます。高速通信に必要な基地局の数が、まだまだ全然足りないのです。東京23区を出た途端に「楽天回線」を外れるようでは、近郊部に暮らす人にとっては使いものになりません。
楽天モバイルもまた、総務省の肝いりで参入した「第4のキャリア」でした。しかし、価格競争が本格化する今年3月までの1年間に、強固な地盤を築くことは結局できませんでした。