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キンタロー。ブログ炎上前からの“危うい傾向”。ネットで不安つづるママたち

「不安なら預けなければいい」という言葉は危険

 ちなみに、炎上後にはSNSやニュースのコメントの中に「そんなに不安なら自分で子どもを面倒見たらいい」という声がありました。  しかし、このような言葉はキンタロー。さん、そしてママたちにとって、薬どころか毒になる言葉でもあります。母親が「子どもには自分しかいない」「自分以外は信用できない」という理由で子育て全てを囲い込む状況は、かえって母親の不安感を増大させ、結果的には子育て・保育・教育に関わる人たちを窮屈にする可能性をはらんでいるからです。

コロナ禍で育児の相談がしづらい状況に

 どんな家庭にも、親の不安を緩和し、密着しすぎている親子の関係を少し緩めてくれる存在が必要です。  夫、親、友達、保育士、児童館の先生、小児科の先生、地域のママ友、近所の人、SNSの友人……。その相手は誰でもいいのですが、夫や親からの十分なサポートを得ることができない場合、外部とのつながりを自分自身で開拓し、築いていく必要があります。  ところが、キンタロー。さんだけでなく、昨年初めての出産をした女性たちは、コロナ禍に見舞われ、相談相手を作りにくい状況になっています。加えて、肉親にさえ子どもを預けづらい状況も続いています。おそらく、必要性を感じていてもしかるべき相談先に出向けていないケースもあるでしょう。  もしかしたら、キンタロー。さんのブログ投稿は、コロナ禍に子育てが始まった0~1歳児のお母さんたちの膨張した不安と孤独が、極端な形で現れた1つの事例でもあるかもしれません。 <文/北川和子>
北川和子
ライター/コラムニスト。商社の営業職、専業主婦を経てライターに。男女の働き方、家族問題、地域社会などをテーマに執筆活動を行う。
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