「佳代さんの今の気持ちだと、
結婚したい、彼氏がほしい、一生独身は避けたい、孤独死は避けたい、の中でどれが近いでしょうか?」

「
孤独死だけは避けたいですね。入籍するかどうかは別として一生独身もできたら避けたいです」
「わかりました。佳代さんは
やりたいことは分からないけどやりたくないことだと決められるのでしょうか」
「そうです。どうしたいと聞かれると困るけど、やりたくないことの方がすぐ出てきます」
正直に言うと佳代さんについて、ネガティブな女性だとは思います。ただ、彼女の行動の原動力が「○○したくない」ならばそれは大事にしたいと考えました。
褒められたらとりあえず「ありがとう」と受け取ることから
孤独死回避のためと目標ができた佳代さんは、デートをするための服を買いそろえることから始めました。合コンに参加することさえ失敗が怖くてためらう佳代さんは、まずは相手がいなくて失敗リスクが低いことからやっていった方が良いと思ったためです。
買い物の最中も、
店員さんに褒められても佳代さんは「いやいや」と否定していました。きっと、男性から褒められても全部否定するんだろうな……その光景が目に浮かびます。

「
そこはありがとうって言っておこうよ」
「いやお世辞でしょ」
「お世辞に聞こえても、全部ありがとうと言っておこう。迷惑をかけていないつもりかもしれないけど、
こういう卑屈な態度は、相手の気分を害しますよ。せっかく言ったのに余計なこと言ったのかなと思うじゃないですか」
「あ~そうですね。気を付けます」
佳代さんはアドバイスも「○○しよう」より「○○しない方がいい」の方が響く方でした。
佳代さんに限ったことではないのですが、
縁遠い女性は「ありがとう」が極端に少ないのです。何か他人にやってもらったら「すいません」と言ってしまったり、誰かが親切で申し出たサポートを「大丈夫です」と断ったり、他人との摩擦を避けてしまう姿勢が染みついているのです。