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どうして私は精神科に入院したのか。コロナ下で40歳を迎える女性の手記

気になるのは周囲の目

 「高いでしょう?」 診察室に戻った私は開口一番そう言ってしまいました。ですが、高額療養費制度と生命保険の医療保障を使えば、そんなに費用はかからないとのこと。ここで心がぐらりと傾きます。もしかしたら私、入院できるかも? 「入院する中でいろんな角度からゆっくりあなたを掘り下げましょう」。確かそんなふうに言われたと思います。  帰りの車の中で、もうほとんど「入院したい」に変わっていました。何も障害がないのなら。仕事はフリーランスだし、誰にも許可を取る必要はありません。でも、精神科病棟に入院することを周囲の人はどう思うだろう、どういう目で見られるだろう?  すぐさま「入院しよう」と思わなかったのは、それがどうしても引っかかったから。なかなか大きなハードルのように感じました。精神科にお世話になることになったら、同じように考える人は少なくないのではないでしょうか。この精神科に対する偏見の話は追々いたしましょう。  私は自分の考えを整理した結果、「なんだか面白そうだ」というライターとしての興味の方が勝ってしまったのでした。 引き寄せの法則

ちょっとこじらせただけと思っていたのに

 こうして私は精神科病棟に入院することになりました。でも、このときは今考えると自分がどうしてこんなことになったのか、まだよくわかっていなかったように思います。たまたま、ちょっとこじらせてしまっただけ、と考えていました。  ですが、その後送った病院での日々の顛末(てんまつ)を考えると、やはり必然だったのでしょう。 ―ルリ子の精神科入院手記― <文/カンザキルリ子>
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