なかでも一番腹が立ったのは、タクヤさんの両親に挨拶に行ったときのこと。実家で学生時代の写真を見せてもらうと……。
「タクヤの学生時代は想像してた通り真面目そうな黒髪メガネでした。本人いわく勉強はできたんだそうです。なぜ、そのまま真面目な道に進まなかったのか……と思っていたら、タクヤが私の学生時代の写真も今度見たいと言い出したんですよ。『別に大したことないよ~』とゴマかすと『学生のとき地味そうだもんね(笑)』またもや謎のマウンティング。いちいち否定するのも面倒だったので『そうだね〜』と軽く受け流しました」
タクヤさんがここまで友理さんにマウントをとるのは、やはり学生時代のコンプレックスがあるのでしょうか。こんなことが交際期間中ずっと続いたそうで、結局2人は別れることになりました。
「自分が最初に嘘をついたのがいけないんですが、やっぱりこのまま隠し通すのもストレスが溜まりそうなので、別れることにしました。ちなみに私と別れたあと、タクヤは周囲に『友理は真面目すぎて俺と合わなかったわ(笑)』と言いふらしていたそうです」
そこで黙っていなかったのが2人の共通の知人でした。
「私のことを昔からよく知る人なのですが、『お前、本当に気づいてなかったの?』とタクヤに私のギャル時代の写真を見せたそうです。私からすればバラすなよ!って感じですが……(笑)。タクヤは『嘘だろ……』と唖然としていたそうです。その後、タクヤから『ギャルだったの隠していたの酷くない……?』と一言だけLINEが来て、罪悪感を覚えましたね……」
騙していたことは申し訳ないなと思いつつも、今まで散々マウントされてきたので少しスッキリしたと語る友理さん。筆者も経験がありますが、まるで環境が違った男性と付き合うと、交際中にストレスを感じたり、引いたり引かれたり……ということは多々あります。
学生時代に抱えてしまったコンプレックスは、想像以上に根深いものなのかもしれません。
―シリーズ「
クズ男ダメ男エピソード」―
<取材・文/結城>
結城
男女観察ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:
@yuki55writer