「上司の机の上は書類の山で、探すだけで一苦労。半年前の出演者の請求書の処理が行われておらず、なぜか私が出し忘れたことにされて、怒られたこともありました。
上司はパソコンが苦手でローマ文字変換ができず、すべて“かな入力”していました。しかも5本指でタイピングができずに、人差し指で文字をひとつひとつ探しながら打つから、小一時間でできるような書類作成が数時間もかかるんですよ」
驚くようなパソコンスキルですが、入力に時間がかかる書類は部下にさせていたため、いつまでもパソコンのキータッチが上達しなかったのかもしれません。
「視聴者からのデータを扱うソフトは上司のパソコンにしか入っていなかったんです。そのソフトを使うときに、パソコンを借りるのですが、上司はかな文字変換をローマ字に替えると怒るため、そのまま使うはめに。簡単な入力作業に、無駄に時間がかかっていました」
相手が部下であれば「ブラインドタッチの練習してみたら?」くらい言えそうですが、ひとまわり以上年上の上司となると、なかなか難しいですよね。
さらに……。
「外部のスタジオにナレーション収録にいく機会があり、同行しました。すると、物凄いスピードで早歩きするんです。私は行ったことがない場所だったので、はぐれないように必死で付いていきました。スタジオに着いたら、『早かったでしょ。鍛えているんだ』と一言。それをアピールしたいがために、私を置いていくようなスピードで歩くなんて、無神経さに呆れましたね」
沙也加さんは、上司とランチに行くのは二度とごめんだと言います。
「上司はケチなんです。昼に誘われていやいやついて行ったのに、おごってくれず、上司の話を延々聞かされた挙句、既定の休憩時間の60分間よりも早く席に戻ることになりました。私は決まった時間給なので、損した気分になりました」
沙也加さんは、高学歴ならば入社しやすいシステムに不平等に感じたそうです。
「上司は私からみて仕事の能力も人間性も難ありなのに……。しかも、大手マスコミなので他の一般企業と比べて高額な年収があります。実際には私のように派遣で働いている人たちがものすごくフォローしてるし、他の派遣仲間でも優秀な人が多かったので、世の中の矛盾を感じましたね」
沙也加さんは婚活でも、学歴や肩書だけで相手を見るのはやめようと心にきめたそうです。
―シリーズ「
クズ男ダメ男エピソード」―
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<取材・文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/とあるアラ子>