この時点で映画が始まってから10分が経過。直接断ってからは突然何もなかったかのように黙り、興味なさそうにスマホをいじり始めたようです。明らかな態度だったので、「この人はただ“そういうこと”をしたいだけなんだ」と感じたと言います。
映画は始まったばかりでしたが、「お父さんから頼まれごとがあるから帰る。家まで送るわ」と言われ、なんと途中退場することに。やっと解放されると思い、安心感でいっぱいだったという飯島さん。
映画館を出ると、外はもう暗くなっていました。車に乗り込むと、行きの彼の様子とはガラリと変わって、なんだか怖い顔をしてハンドルを握っています。
「デートに来たことを後悔していると、彼が音楽を超爆音にかけ、猛スピードで運転しはじめたんです。それも無言で。会話は一切なく、不気味な空間でした。さっきまであんなにも話してきた彼が、いきなり別人となり、このまま誘拐されるかもと思いました」
実際に、誘拐犯は叫んでも外から聞こえないようにするために、音楽を爆音にする手口を使うことがあるそうです。そのことを知っていた飯島さんは生きた心地がせず、早く家に着くことを願うばかりでした。
「そのまま、なんとか無事に家に帰ることができました。一応車を出してくれたお礼をしようとSNSを開くと、彼が車の中で音楽にのっている動画とともに、『くたばれ!』とのメッセージが送られてきたんです……」
その後、2人は大学で目も合わさず、お互いに存在しないかのように振る舞う関係となったそう。知らない相手と2人っきりで密室空間にいることは注意すべきだと身をもって感じた飯島さん。みなさんもデート相手は慎重に選びましょう。
―シリーズ「
クズ男ダメ男エピソード」―
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<取材・文/Honoka Yan>