――女性が就く日雇いの仕事とはどんなものでしょう?

写真はイメージです。
松元「男性の場合は製造業系や現場系の日雇いが多いようですが、女性の場合はイベント系が多いですね。イベントの給仕係や準備係。その他、コールセンターや在宅でできるラベル貼りなど。イベントは1回につき数時間の就業なので、1日8時間労働だったとしても最低賃金(東京都)であれば8,000円ほどの収入にしかなりません。
そういう人は複数の派遣会社に登録しているので、どこかの派遣会社から仕事が入るかもしれないと毎日自宅で待機しているんですよ。
そして気がついたら、1ヶ月まるで仕事がなく、来月の家賃が払えないという状態に陥ってしまう現状があります」
※後編は「ジェンダー規範で区別された求人」「小池都知事との面会」「ハードルの高い生活保護受給」の話へ続きます。
【取材協力】
松元千枝(まつもと・ちえ)
「女性による女性のための相談会」実行委員、ジャーナリスト、メディア協同組合「Unfiltered(アンフィルター)」エディター、法政大学法学部メディア分析非常勤講師、東京大学大学院情報学環学術支援員。英字記者、海外通信社の東京特派員を経て独立。共著に『
マスコミ・セクハラ白書』(文藝春秋 2020年)、共同翻訳には『
世界を動かす変革の力 ブラック・ライブズ・マター共同代表からのメッセージ』(明石書店 2020年)、『
ストする中国』(彩流社 2018年)がある。
<取材・文/此花わか>
此花わか
ジェンダー・社会・文化を取材し、英語と日本語で発信するジャーナリスト。ヒュー・ジャックマンや山崎直子氏など、ハリウッドスターから宇宙飛行士まで様々な方面で活躍する人々のインタビューを手掛ける。X(旧twitter):
@sakuya_kono