――こだわって作っている部分はありますか?
野津「立体感を大事にしているので、とんかつなどの揚げ物を作るときは、粘土をやすりで削って衣を作るなどしています。焼き物の焼き色や、フルーツの断面図もおいしく見えるためにこだわるようにしています」
サクッとジューシー「とんかつ」のミニチュア。
ねんどをやすりで削って衣を作ります。
肉に見立てた粘土に衣をつけます。
絵の具をつけて美味しそうなきつね色に仕上げます。
――作品の精巧さはもちろんですが、器や盛り付け・色彩など世界観そのものがおしゃれでかわいいです。
野津「そう言っていただけると、とても嬉しいです。ミニチュアのものを集めるのと同じじくらい、食器集めやカフェ巡りが趣味だったので、自分の大好きなものをギュッとつめこんだ世界がミニチュアフードなのかなと思います」
――野津さんは、日本ミニチュアフード協会の代表・講師としてミニチュアフードのレッスンを開催していますが、不器用な私でもレッスンに参加できますでしょうか。
野津「もちろんです!レッスンを受ける生徒さんからも、よく『ちゃんと作れるか不安です』という声を聞きますが、どんな方にも楽しんでもらえると思います。
粘土は自分の好きなように自由に形が作れるので、正解・不正解のない、もの作りの楽しさを味わってもらえると思います」
焼き目パリパリ「餃子」のミニチュア。
ミニチュア餃子は一個一個手作業で包んでいます。
――自由に作れるというのが楽しそうですね。
野津「本物の食事も、サイズや焼き色など作る人によって違いますよね。ですので、レッスンでも、『パンケーキ』などモチーフは決まっていますが、サイズや色・形はご自身の好きなように自由に作ってもらうようにしています」