「教会での式が終わると再び近所のレストランに移動し、そこで貸し切りのパーティ。ずいぶんアットホームだなと思って尋ねてみると、『ドイツじゃ職場の人なんてプライベートで仲がいい人以外は呼ばないわよ』って当たり前のように言ってました。
けど、余計な気を使う必要はないだろうし、そこは日本でもぜひマネしてほしいなって。私たちの結婚式は、おたがい勤め先が大きな会社だったので誰を呼ぶかで苦労したので」
式が終わった後のパーティは、日本の披露宴のようなかしこまった感じはなく、例えるなら規模の大きいホームパーティ。始まってしばらくすると、突然スピーカーから大音量で曲が流れ始め、新郎新婦が会場の中央で2人で踊り始めます。
これは「ファーストダンス」と呼ばれるものでドイツに限らずヨーロッパのウェディングパーティの定番。ただし、そんなことを知らない奈々枝さん目の前でノリノリでダンスを披露する新郎新婦に「何が起きたが理解できませんでした」と振り返ります。
「曲は好みで何でもアリみたいですけど、このとき流れたのはかなりアップテンポなナンバー。だから、曲調に合わせて踊りも激しかったんですけど、普段は人前で踊るような子じゃなかったので、あまりのひょう変ぶりにすごく驚きました。
その後は参加者みんなで踊り出して、年配のおばあちゃんとかもステップを刻み、楽しそうな表情をしているのが印象的でした。新婦の彼女なんかウェディングドレスのすそが汚れても気にせず踊ってるし、ああいうのも悪くないなって。
私もビールとワインを飲んでる状態で踊ったから途中で気持ち悪くなっちゃいましたけどね(笑)」
ほかにもケーキ入刀の代わりなのか新郎新婦が一緒にのこぎりを持って丸太を切ったり、大きな布に描かれたハートマークを2人が両側からハサミで切り抜くなど日本では見たことのない風習が続いたそうです。
「どちらもドイツではお約束的なものらしく、海外の結婚式だなぁって感じがして面白かったです。けど、夕方から始まったパーティは夜遅くまで続き、私は途中で帰りましたが後で聞いたら夜中までやっていたみたい。
ドイツで結婚式に出席したのはこの一度だけなので現地のスタンダードなのかは正直わかりませんが、それでも刺激的でいい思い出になりました」
海外の結婚式に招待されるなんて日本に住んでいたら絶対に経験できないこと。機会があればぜひ参加してみたいものですね。
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結婚式のトンデモ話―
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<文/トシタカマサ イラスト/カツオ>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。