先進国のなかで低すぎる、日本の性的同意年齢=13歳
――日本の法整備には何が必要でしょうか?
ライターの此花わかさん
中村さん「まずは13歳という性的同意年齢の引き上げですね。この年齢は明治時代以来変わっていないのですが、確かに明治時代は15、16で結婚していました。でも現代では13歳は幼い子どもです。
性的同意年齢は最低でも16歳までに引き上げられなければいけないと思います。せめて義務教育のうちは子どもを守るのが大人の責任ではないでしょうか」
――確かにフランスでは15歳、韓国は16歳、アメリカでは16歳から18歳(州によって異なる)と諸外国と比べて日本の性的同意年齢が低いですよね。性的同意年齢の引き上げに反対する人たちのなかには、「淫行条例や児童福祉法があるから必要ない」と言う人が多い印象ですが、淫行条例や児童福祉法の罰則は非常にゆるいですよね。検挙されても懲役10年以下、罰金100万円以下ですよね……。
池田さん「罰則で全てを判断してはいけないと思いますが、行政と加害者には加害行為の重みをもっと感じてほしい。性暴力の罰則が下手すると懲役1年以下など、モノを盗むよりも軽い犯罪とみなされる……。性暴力に対する社会的な認識をもっと広げていかなくてはいけないと思います」
――学校が行っている性教育やITリテラシー教育についてどう思いますか?
写真はイメージです。(以下同)
中村さん「『これも、あれも、やっちゃ駄目』という教育がベースになっていることは問題だと思います。『やっては駄目』と教育されると、やってしまったときにどうしたらよいか分からなくなって大人に言えなくなるんです。『
やったとしても、先生や大人に相談したらきちんと対応してくれますよ、対処しますよ』とかフォローの方法を入れて、『
困ったら大人に話してみよう』と子どもたちが思えるようにしてほしいです」
平岡さん「でも、実際には性的な自撮り画像を送ってしまい、
学校に守ってもらうどころか、反対に教育指導されて怒られたという子どももいます。被害者のほうが先生に何時間も説教されたり……。学校の相談室を利用するのにもいちいち担任に申し出ないといけない学校もあるとか。子どもとはいえ、生徒を評価する側の学校に相談するのは難しいと感じるのは当然のことなので、スクールソーシャルワーカー等、中立的な立場の大人に相談しやすい環境づくりをしてほしいと思います」