News

SNSで子どもに「裸の写真送って」。卑劣すぎる手口から子を守るには

 先日、「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と立憲民主党の本多平直衆院議員が発言し、大きな波紋を呼んでいます。
子どもに性的画像を送らせる大人たち。「中高生を子どもとして見ていない」

写真はイメージです。

 性犯罪刑法改正に向けて立憲民主党がワーキングチームを開きましたが、児童福祉法や各自治体の淫行条例で18歳未満との性行為が処罰対象であることを無視した、この本多議員の発言……。法改正に向けて議論する本多議員の法的知識の欠如、そしてなによりも、18歳未満の子どもを性的対象にするという子どもの人権に対する意識の低さに、怒りを感じている人は多いのではないでしょうか?  前編の「騙されてAV出演…泣き寝入りが多い性犯罪、なぜ罰せられないのか」では、被害者を支援する団体「ライトハウス」の女性スタッフ3名(池田さん、中村さん、平岡さん:仮名)に人身取引にまつわる現実について話を伺いました。後編では、「子どもたちの自画撮り被害」について引き続き話を伺います。

中高生に、カラダの写真を「自撮りして送って」

中高生が遭った自画撮り被害の例

写真はイメージです。

●中学生の女性 同級生からいきなり服を着ていない写真を送るようにLINEで言われて、どうしたらよいか分からなくなった。 ●高校生の女性 インスタグラムで知り合った人から胸の写真を送るように頼まれ、フォロワーを増やしたいと思い胸の写真を送ってしまった。相手はこの胸の写真をチャットのトップ画像に設定し、「これを消してほしかったら俺と話せ」と言われた。 【支援とその後】 児童の性的画像は所持しているだけで「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反なので警察署への相談を提案。警察に相談するのをためらう被害者も多いので、相談者の不安を取り除くためにやりとりを続けて警察へつなぐようにしている。個人情報を相手に伝えていない場合は、相手の脅しがエスカレートする前に相手とのやりとりをスクリーンショットして保存後、連絡を絶つことを勧めている。

性的画像を送ってしまったら……?

――性的画像を送ってしまったら、被害者はどうすればよいのでしょうか?
性的画像を送ってしまったら……?

(左)中村さん、(右)池田さん

池田さん「出回っているかどうかをとても気にされる人は多いのですが、探しても探しきれないので、『探すことはお勧めできない』と伝えています。そこに固執してしまうと生活が成り立たなくなるので、気持ちを切り替えられるようにお話していきます。  伝え方はいろいろなんですが、相談者が日常を取り戻すことができるように、安心材料を何とか見つけられるような言葉かけをしています。ネット社会の弊害ともいえ、現状では対処できる法律等がないため、こうした対応にならざるを得ません」 ――18歳未満の未成年が成人に性的画像を送ってしまったら、何ができますか? 中村さん「児童ポルノの被害として警察に相談ができます。ただ、被害者が18歳以上だと、児童ポルノに該当しないので難しくなります。それでも、脅しや脅迫があるとか、リベンジポルノや盗撮など、警察署の生活安全課では幅広く相談にのってくれるので、まずは相談してみるとよいと思います。」 平岡さん「被害者が18歳未満でも、送った相手がアプリやSNSで出会った人で、氏名など個人情報がわからないうえ、アカウントを消してしまっているとどうしようもできません。インスタやツイッター経由で被害に遭う子たちはとても多いです。最近は裏垢(裏アカウント)で自分のプロフィールを隠して裸を見せる子たちもいて、そういう子たちが被害に遭うこともあります」
次のページ 
SNSの裏垢で裸を見せる子どもたち
1
2
3
4
5
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ