――加害者の手口には共通点があるのですか?
平岡さん「とにかく最初は良い人を演じていますね。学校や親に言えないことを聞いてくれたり、その子のツイートにマメに反応してくれる。楽しい会話を繰り返して、個人情報を少しずつ引き出していき『
かわいいね』『
好きだ』『
大事にする』等の言葉で自撮り画像を送らせる。最初は服を着たままの写真を送らせて、その後は『
もっとよく知りたいから』と下着姿、そして、裸の写真へとエスカレートしていくのです。
そうして裸の写真を手に入れた後に、『
写真をばら撒くぞ』と脅す。しかも、脅したかと思えばすごく優しくなったりするから、子どもは『あ、この人本当は良い人かもしれない』と思ったり、『怖いと思った自分が変なのか』と思ってしまったり、混乱させられることで、徐々に加害者にコントロールされていってしまいます」
中村さん「怖いのは、裸の自撮り写真を送らせることを悪いと思っていない加害者もいること。加害者は、中高生のことを未成年者、つまり、子どもとして見ていないんですよ。
大人が守るべき子どもとしてではなく、女として見ているのです。そして支配・コントロールしようとしている」
――本多平直議員のように、国会議員ですら、未熟な未成年が大人と対等な恋愛や性行為の相手になり得ると思っているとは恐ろしいですよね。子どもたちに性的画像を送らせる加害者は、どんな気持ちで、未成年から性的搾取するのでしょうか?
池田さん「加害者はすごく自己中心的で自分勝手です。その子がどういう子かなんか関係なくて、自分の欲望が叶えられたらそれでいい、というような。
欲望、支配欲、ゲーム感覚、そういった気持が入り混じっているように感じます」
平岡さん「逮捕された加害者の余罪を調べたら、大抵ものすごい数の被害者が出てきます。ある事件では20万枚もの性的画像が加害者のスマホに保存されていたぐらい。加害者の多くは日常的にそういった行為をしているんだと思いますね」

写真はイメージです。
中村さん「あとは、『
下着や写真を買取ります』という業務メッセージもツイッターやインスタのDMからたくさんの子どもたちに送られてきます。子どもたちがちょっと興味をもって返信すると、不正行為のないようにという名目で、偽造の身分証明書を送りつけて、『
あなたの身分証明書も送ってください』と言う。
すると子どもたちって大人の言うことを信じてしまうのです。そうやって子どもの個人情報を手に入れて、お金を支払わないどころか、その後はそれを盾に脅して性的画像を送らせたり、性的行為を行わせたりするのです」
――オンラインゲームによる性被害の相談はありますか?
平岡さん「オンラインゲームのチャットで性的なことを言われたけど、どうしようと相談されることはよくあります。ネットはどんな媒介でも犯罪の温床になりえますし、スマホやオンラインゲームを完全に止めさせることはできません。だからこそ、SNS、ソフトやアプリを作った企業側には年齢制限をもっと上手に丁寧な管理をしてほしいと思います。また、加害行為の早期発見、加害者の把握や厳しい対応等、加害者対策にもっと力を入れてほしいなと思います」